【宏太’Sチェック】J1札幌 敗れはしたが結末が逆でもおかしくない 収穫の多い試合だった
◆明治安田J1リーグ ▽第15節 柏2―1札幌(19日・三協F柏) アディショナルタイムの劇的ゴールで敗れはしたが、結末が逆になってもおかしくなかったほど、いい試合はできていた。前半はボールポゼッションなど数字でこそ上回っていたが、フィニッシュまで行くパワーが足りていなかった。サイドの仕掛けだったりにしても、消極的な部分が目立ち、後ろで奪ってもゆっくりつなぎ、相手の陣形がそろってからの勝負になっていた。 一転して後半は、今後につながるような形をつくれていた。奪ってからまず前への推進力を出し、1トップのゴンヒにシンプルにボールを入れるようになった。ボランチの荒野も前を向き、チャンスを常にうかがっていた。ミシャのやりたい形を出したことで、柏のDFを押し込めることができた。 シンプルにプレーしていれば3人目の動きも出やすくなるもの。攻撃はこねてつないでと難しくすればするほど、周りの選手からしたら出ていくタイミングが読めず、動きづらくなってしまう。FWの得点が15試合ないが、それはFWだけの責任ではない。どういうボールを供給していくかで変わっていくもの。後半4分に青木の縦パスをスパチョークがシュートした場面があったが、それをシャドーでなくFWが受けたり、シャドーに渡ってもFWがそこで動き直して連動すれば、ゴールはもっと取れてくる。 前半と後半の内容の差を考えれば、次戦に向けて何をしていけばいいかは分かるはず。後半は誰も責められないほどよく戦っていた。敗れはしたが収穫は多かったと思う。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)
報知新聞社