履き古したパンツをプレゼント…!過激なのに平和?AV男優ファン「”推し活”イベント潜入」驚愕ルポ
最近何かと話題になっている推し活。1月15日には、「メンズ地下アイドル」の男に撮影会の場で女性ファンの身体を触らせた疑いで、所属事務所の社長らが逮捕された。アイドルが性的なことを仄(ほの)めかし、恋愛感情を煽(あお)る商法がメンチカ界隈で横行しているという。 ファンの少女の胸を触りわいせつポーズ強要…「メン地下アイドル社長」戦慄の素顔写真 その一方で、性的な話題だらけなのに非常に平和な推し活界隈が存在することをご存じだろうか。 それはAV男優の推し活である。1月某日に行われた若手の売れっ子男優たちのトークイベントには、女性ファンがズラリ。イベント前半のトークパートでは、それぞれがAV男優になったきっかけや、得意なプレイ、しんどかった現場の思い出などを披露した。 「キャンプ場で野外プレイをしていたら、監視の目を潜り抜けたお爺さんが普通に入ってきて挨拶をしてきた」 「童貞だったのでセックスを勉強するためにAV業界に入った」 「巨根で女性が痛がるので、適度に興奮を抑えて硬度を低くして挿入できるようになるのが今年の目標」 と終始下ネタが続いた。 次のコーナーは「ききコンドーム」。目隠しした状態で7種のコンドームを触り、お題と同じコンドームを当てるのだ。人気男優フランクフルト林は、手触りではなくコンドームを舌で触り、その味と感触ですべてのゴムを的中させた。 穿(は)き古したパンツや香水といった私物プレゼントが終わり、チェキの撮影タイムへ。メンズ地下アイドルのチェキだと一枚1000~1500円が相場の中、男優たちのチェキは一枚2000円、サイン付き集合チェキだと一枚3000円とやや高額だったが、5枚以上購入するファンも多く、1時間以上にわたるチェキ会は大盛況の様子だった。 AV男優は女優よりも立場が不安定で、ギャラも安いが、近年では男優もVRで女性向けのイメージビデオを販売したりと、活躍の場を広げている。 「他の推し活をもともとしていて、最終的にAV男優界隈に行き着いたって子が多い気がします。僕とかはBL作品にもけっこう出ているので、そういうのが好きな子も多い印象。ガチ恋っていうか推しって感じが強いのでイベント自体は平和ですね」(フランクフルト林) 「意外とチェキの指名が多くて嬉しかったです。男優って狭い業界だから、横のつながりが強くてみんな仲が良い。そんな雰囲気を楽しんでいるファンも多いなと感じました」(AV男優・ダイ) 男優たちのSNSを見ると、女優と写っている写真はほとんどなく、男優同士でジャレ合っている様子や、仕事後の食事の様子などがアップされていることが多い。男優と女優の恋愛は御法度という業界ルールもあってか、不自然なほどに女優と男優は分断されているのである。 日本のAVは中国をはじめとした海外でも人気で、男優たちにも外国人ファンが多数ついているという。トークイベントでは過激な下ネタが飛び交っており、通常のアイドルのように自身のプライベートを隠すような文化は皆無。その一方で、男優同士が仲良くしている様子を見守る”絡み萌え”も楽しめる。チェキやイメージビデオを鑑賞することもでき、出演するAVを観れば裸も拝める。 ライトなファンや男優との繋がりを求める女性、BL好きの男女まで、多様な人々が平和な棲み分けを実現しているAV男優ファン界隈。ある意味では究極の推し活なのかもしれない。 『FRIDAY』2024年2月2・9日合併号より 取材・文:佐々木チワワ ’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』(扶桑社新書)が好評発売中
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