【山形】山形県内投票率高い背景と投票の重要性
YTS山形テレビ
3日後に投開票が迫っている衆議院選挙、全国的には投票率が低迷していますが、県内の投票率は高い状態が続いています。 有識者に「投票率が高い背景」や「若い世代も投票することの重要性」などを聞きました。 これは総務省が公表している「衆議院選挙の全国の投票率」です。 戦後長らく70%前後で推移するも2014年に過去最低の52%を記録して以降、50%台の低い水準で推移しています。 そのような中、山形県は全国平均を大きく上回り、2017年、2021年の選挙では1位を記録。 さらに、直近2度の参議院選挙でもトップの数字で、今回の選挙は「国政選挙5連覇」が掛かっています。なぜ投票率が全国トップなのでしょうか。 今年度から県の「明るい選挙推進協議会」の委員を務め、投票参加を呼び掛けている山形大学の中島宏教授に聞きました。 中島教授は山形ならではの「家族の形」が背景にあるとみています。 【中島宏教授】 「(山形県は)三世代同居率が一番高い。子ども連れで投票に行ったり、家族ぐるみで投票に行ったりという投票行動が多いと言われている。お子さんがお父さん、お母さんとか、おじいちゃん、おばあちゃんが投票している姿を見て、「自分もちゃんと投票しますよ」という投票行動が自然と身に付く風土がある。」 全体だけでなく18歳から20代の若い世代でも投票率が全国平均よりも高い傾向にある山形。 今回の選挙にも若い世代には気楽な気持ちで「投票」に臨んでほしいといいます。 【中島宏教授】 「最初から緊張して、『正しく投票しなければ』じゃなくて、まずは投票してみて次の選挙の時に反省、振り返って、よりよい投票行動につなげていくか。PDCAサイクルを自分でつくってみて、長期的な観点から投票行動を養ってほしい。」 普段から中島教授のもとで学んでいる学生たちは、「選挙」に対して何を思っているのでしょうか? 「(若者は)インターネットとかでは、『高齢者のことばっか気にして政府はなんだ』みたいな話があるが、それは若者が(投票に)行ってないからであって、行かない人にそういう権利ないと思うので自分は投票する。」 「期日前投票に行きました。今、お父さんとお母さんと暮らしているんですけど、日頃からテレビとか付けて政治の話をするので。こういう話が身近な年代とできればいいと思う。」 「興味が無いの前に(選挙が)どんなものか知らないからこそ興味が出ないと思うので、選挙について知ることができる機会が増えればいいと思う。」 なかには、新たな投票スタイルの導入を期待する声も。 「意見をしっかり表明できる場として、選挙を利用したい。実現するのは難しいかもしれないが、やっぱりインターネット投票とか新しい媒体とか利用して投票する機会を増やしていくと若者の政治参加が次第にあがっていくと思う。」 中島教授は、若い世代が投票して意思を示すことは重要だといいます。 【中島宏教授】 「『自分たちもちゃんと関心を持っていますよ』と上の世代に示す。そのことによって、若者のための政策を生みやすくする。このことをしないと、政治の好循環、政策の新陳代謝が起こりにくくなりますよね。ぜひ若い世代の人には投票に行ってもらいたい。」 あすは山形3区、終盤の戦いの様子をお伝えします。