【プレビュー】各チームアップデートの効果がここで明確に露呈か…マシンの総合力が試される第10戦スペインGP|F1
サーキットのレイアウト(サーキット・デ・カタルーニャ)
最大の見所はやはり1kmにも及ぶ、コントロールラインのあるロングストレート。ここはDRS区間でもあり、第1コーナーの飛び込みでは激しいブレーキング合戦となる。第2セクターにあるターン9はカンプサと呼ばれており、このセクションは風の影響を受けやすくコース上のライン取りがポイント。 そこからターン10までもDRS区間となる。ターン10は2021年1月~2月にかけて改修工事が行われ、カーブのRが2020年よりゆるやかに。エスケープゾーンも広く設けられている。 そしてセクター3は2022年まであったシケインがなくなり、トラック上のターン数はかつての16から、2023年より14に減少。最終ターン14の立ち上がりがハイスピードになり、よりホームストレートでのパワー勝負が強調されることに。 ロングストレートやリズム感のあるコーナーなど、注目ポイントの多いコースではあるが、コース幅が狭く、ポジション変動はあまり多くない傾向のトラックでもある。また、現地カタルーニャは晴天になることが多く、前述のとおり各チームがテストを重ねてこのサーキットを知り尽くしていることから、波乱があまり起こりにくいレースの一つとされる。 近年はバーレーンが開幕前のテストとして使用されているが、これまでプレシーズンテストと言えばバルセロナが慣例だった。天候面だけでなく、高速、中速、低速と様々な特徴が入り混じったトラックであることから、テストの舞台に選ばれていた。マシンの総合力が試されるサーキットとも言えるだろう。
2023年 スペインGP結果
2023年のF1第8戦、スペインGP決勝は2023年6月4日に行われた。 現地カタルーニャは日が差す状況ながら雨雲が多く、決勝レース途中からの雨が降り出す可能性があるとの予報も。 決勝では20人中、16人のドライバーがソフトを第1スティントに選択。ポールポジションのマックス・フェルスタッペン、11番グリッドのセルジオ・ペレスのレッドブル2台がミディアムとなった。 ピットレーンスタートのチャールズ・ルクレールはハード、ローガン・サージェントはミディアムを選択している。 ブラックアウトとなり、ターン1にフェルスタッペンがトップで飛び込む。3番手スタートのランド・ノリスはルイス・ハミルトンとの接触でマシンにダメージを受け、すぐさまピットインの指示が入る。15番グリッドスタートの角田裕毅は12番手まで順位を上げてオープニングラップを終えた。 3/66周目に入る頃には角田はオスカー・ピアストリをパスし、11番手に浮上した。7周目に角田はニコ・ヒュルケンベルグを抜き、入賞圏内の10番手までポジションを上げている。 ソフト勢は10/66周目にはタイヤのデグラデーションが目立っている傾向もあり、ピットインするマシンも出てきた。角田も11周目にピットインし、ハードの第2スティントにつないだ。ヒュルケンベルグ、チョウ・グァンユを前に見る位置でトラックへと戻っている。 トップはフェルスタッペンがミディアムで快走し、15周目には2番手サインツを7秒ほど突き放した。14周目のターン4では角田がチョウを、15周目のターン1ではヒュルケンベルグを再度抜き、順位をさらに上げる。 2番手サインツは16周目にピットへと入り、ソフトからミディアムへとつないだ。ルクレールはハードからソフトにチェンジし、18番手でトラック上へと戻った。 スタートからソフトで粘っていたハミルトンは25/66周目にミディアムへとチェンジ。サインツの後ろで戻った。27周目にフェルスタッペンはようやくピットイン。ミディアムからハードにつなぎ、フェルスタッペンはこれで最後まで走りきれる状況となった。ペレスもその直後にピットに入ってハードへと変更している。 これで全ドライバーが一通りピットインを終え、トップはフェルスタッペン。2番手11秒差でハミルトン、その2秒後方の3番手にサインツ、4番手ジョージ・ラッセル、5番手ランス・ストロール、6番手オコンときて、7番手が角田となった。 角田は前のエステバン・オコンとの差を詰め、28周目にはDRS圏内の1秒に入ってきた。だが後方から迫ってきたペレスのペースが速く、角田は33周目にペレスに抜かれて8番手となった。 35/66周目に角田はピットに入り、ミディアムの第3スティントに入っている。あとは最後までトラック上で走り切る状況に。オコンはその後ピットに入ったが、ピットアウトすると角田の後ろとなり、アルファタウリとしてはアンダーカット成功となった。 だが39周目のホームストレートで、ハードタイヤのオコンがミディアムの角田をパス。レースペースは明確にハードのほうが良いという形に。角田は8番手の位置で前のオコンについていく状況となるも、後方から迫るチョウとアロンソのペースが速く、その差を徐々に詰められる展開となった。50周目のホームストレートでアロンソが角田をパス。これで角田はP9となる。 上位勢は52周からハミルトン、ペレス、フェルスタッペンの順番でいずれもソフトの最終スティントに入った。これで最後はファステストラップ勝負となった。