【五輪卓球の歴史エピソード】五輪を視野に若手を育成した中国がアトランタで逆襲。準々決勝で停電し、明暗を分けた試合
中国が五輪を見据えた強化で12個のうち8個のメダルを獲得。20歳の劉国梁が2個の金メダル獲得
バルセロナまで男子の卓球はヨーロッパが中心となっていたが、1996年のアトランタでは20歳の劉国梁と孔令輝の中国の若手が活躍。劉国梁は単複で2個の金メダルを獲得し、4種目中3種目で中国同士の決勝となった。完全に五輪を中心に据えた中国の強化方法が動き出し、世界卓球の主導権を奪った。 優勝したのはペンホルダー表ソフトの劉国梁。時折、裏面に貼った裏ソフトでバックドライブを放つなど、当時としては革新的なプレースタイルを披露した。前回優勝のワルドナーが早々と姿を消す中、勢いがあったのは20歳のサムソノフ(ベラルーシ)。独特の柔らかいボールタッチと安定感で、後にヨーロッパのタイトルを何度も奪うのだが、アトランタも絶好調で準々決勝に進み、中国の王涛と対戦。2-1とリードした4ゲーム目と、5ゲーム目に2度の停電があり、合計1時間近くの中断があった。試合の流れは完全にサムソノフにあったので、苛立っているようにも見えた。結局、2-3で敗れた。