『パルワールド』で揺れる“インディーゲーム”文化とその定義──ゲームクリエイターたちの見解は?
「クリエイターが自分の美的感覚に従って決定できるのがインディーゲーム」
続いては、講談社ゲームクリエイターズラボに参加するノナプルナインさん、フツララさんへインタビュー。 横スクロール型のSFアドベンチャー『ノナプルナイン:アシンプトート』を開発するノナプルナインさんは、「実は僕、同じゲームを12年もずっとつくってるんです」と告白。 そして、かつてゲーム会社で働いていた経験と比較しつつ「本当につくりたいものをどこまでも徹底して追求し続けられるのがインディーゲームの一番いいところですね」とコメントしました。 育成アドベンチャーゲーム『CultureHouse』を開発するフツララさんも、かつてはゲーム会社に所属していたクリエイターの一人です。 一般的なゲーム会社とインディーゲームの違う点として「何をどうつくるかの決定権を持っているのが、お金を出す側かクリエイター側か」と指摘。 「開発規模が大きくなると、チームメンバーのキャリアも考える必要があるし、責任が重くなる。個人であれば、作品が失敗してもダメージを受けるのは自分だけ済みます」と長年ゲーム開発に携わってきた立場から分析します。 「クリエイターが自分の美的感覚に従って決定できるのが、インディーゲームだと思います」と結論づけました。
“熱量”と“魂”こそが「インディーゲーム」たらしめる
もう一人、講談社ゲームクリエイターズラボの参加者から話を聞いたのが、アクションRPG『Rise of Rebellion~地罰上らば竜の降る~』を開発するHytackaさん。 インディーゲームとはどんなジャンルか尋ねると「定義的には小規模開発のゲームということになると思うんですが、定義にはあまりこだわりたくないと思っています」とコメント。 その理由について「規模が広がってきて、嫌というわけではないですが、『インディーゲーム』という言葉自体に手垢が付いてきている印象もある。小規模開発ならなんでも『インディーゲーム』になってしまうんだったら、あまりインディーの開発者とは名乗りたくないですね」と吐露。 「逆に、開発者の熱意とかクリエイター魂みたいなものが込められているならなんでも『インディーゲーム』でいいと思いますし、格好つけているようですが、僕自身もそういうつもりで開発しています」と想いを語りました。