お手盛りか独立か? 報ステ・クロ現で注目のBPOとは?
Q:人権侵害を審理する放送人権委員会の委員は、どのように選ばれますか?
A:BPOの理事会から任命された評議員会が、有識者の中から選任します。独立性・公平性を担保するため、放送局の役職員には委員となる資格がありません。 放送人権委員会の委員は9名で、任期は3年、再任も可能です。番組による権利侵害や放送倫理上の問題について判断をするので、弁護士や、法学又はジャーナリズムを専門とする大学教授が委員になることが多いです。もちろん、それ以外の分野で活躍されている方もいます。ちなみに、女性の委員は3名います。
Q:放送人権委員会での審理は、どのような流れで進められますか?
A:放送番組によって被害を受けたという人からの申立てがあれば、放送局との話し合いでは解決できない状態かどうかなど、審理入りできる条件が整っているかどうかを調査します。審理入りした後は、申立人と放送局の双方から文書やヒアリングによって主張を聞き、決定を行います。
Q:放送人権委員会での「決定」とはなんですか?
A:決定には、勧告と見解との2種類があります。勧告にはさらに、人権侵害があったとするものと、公平さを欠いているなど、放送倫理上重大な問題があったというものがあります。見解には、放送倫理上問題があったというものと、それ以外のものがあります。勧告や放送倫理上問題ありという見解が出た場合には、放送局に改善策等を盛り込んだ対応報告などを求めます。 放送人権委員会の決定は、放送や新聞で報道されるため、一般の目に触れることも多いと思います。
Q:実際の決定にはどんなものが?
A:放送人権委員会の最近の決定としては、4月に入り、おぎやはぎのラジオ番組で「キモい」と言われた「LINE府議」からの申立てについて、「地方議員として受忍すべきであり、放送に問題はない」とした見解が出されました。BPOのホームページには委員会の決定が全部掲載されていますが、それを見るとお分かりになるように、このケースのように「問題なし」という決定は珍しいです。BPOが放送局から独立して判断をしていることの現れだと思います。 なお、現在審理中の案件としては、佐村河内守氏からの2つの番組(「アッコにおまかせ」と「IPPONグランプリ」)に対する申立てがあります。