【漫画家に聞く】視線が怖いアイドル、推すのは学校の強面先生!?『樫木先生は私を推している!?』が話題
学校の強面な先生が自分のガチオタだった――。人と目を合わせられないアイドルとそれを推す教師のキュンキュンした関係性を描いた漫画『樫木先生は私を推している!?』が現在、白泉社の雑誌「ザ花とゆめ」で連載中だ。 【漫画】『樫木先生は私を推している!?』を読む その第0話ともいうべきエピソードがXで約1.3万のいいねを集めている。本作の人気の秘密に迫るべく、作者・ソノヘンノ高橋さん(@sonohenno56)を直撃した。 ――Xでのバズを受けて、ご自身としてはいかがですか? ソノヘンノ高橋(以下、高橋):ただただ嬉しいです。編集部から提案を受けて、反応を見る目的で投稿しましたが「本当に読んでもらえるのかな……」と不安に思っていたので。こんなに多くの方に届くとは思いませんでした。 雑誌に掲載された瞬間は反応がわからないので、「キュンとした」とか「尊い」という感想がすぐいただけるのは「描いてよかったな」という気持ちになります。 ――着想についても教えてください。 高橋:雑誌「ザ花とゆめ」は毎号テーマが決まっていて、それが本作掲載時は「アイドル」だったんですよ。きっと他の作家さんがイケメンを描くだろうなと思ったので、担当さんと相談して自分は可愛いアイドルの物語にした方が差別化になるかなと。 さらに俯く女の子を主人公にしたら壁を乗り越えていく姿が描けるだろう、という発想から制作していきました。「学校とアイドル」の二面性、「先生と生徒」の関係性も物語が面白くなりそうだなと思い浮かんだアイデアでしたね。 あとは個人的にネーム会議に落ち続けている時期だったので、「俯いてばかりの主人公が顔を上げる」というストーリーを描けたら自分も前向きになれそうだなという感情移入もありました。 ――実際のアイドル現場に行ったりもされたのでしょうか。 高橋:もともと自分も女の子のアイドルさんを観に行っていたんですよ。好きなのは背中を押して応援してくれる、元気をもらえるようなグループ。主人公のアイドル像にも影響があると思います。 あとは取材がてら、気になっている地下アイドルのライブに勇気を出して行ってみたり……。本作を描くにあたって改めて調べていたら、好きなアイドルが増えました(笑)。今はFRUITS ZIPPERとか、DIALOGUE+にハマっています。 ――主人公のアイドルグループ「あにまる未満。」というネーミングはどこから? 高橋:まず「獣耳があったら可愛いな」と思ったのが最初で、そこから「アニマル」が浮かんだんです。次に「獣でも人間でもないビジュアルだな」と考えて「未満」。あとはひらがなの方が可愛いと思ったので「あにまる未満。」としました。 ――ストーリーを考える時に意識することは? 高橋:少しでも読んだ人が温かい気持ちになってほしいので、できるだけ人間のよい面が見えるようなお話になるように意識しています。あとは「こういうシチュエーションに自分も憧れる」という内容よりは、「このふたり可愛いな」と客観して描くタイプですね。どこか母性みたいな(笑)。 ――作画的にはいかがでしょう? 高橋:瞳のうるうる感やキラキラ感の表現にはこだわってますね。それから男性を描くのが苦手なので、樫木先生は男らしく肩幅などを描こうと頑張っています。デビュー時は「絵が固い」とアドバイスをもらって、色々と模索していたのですが、最近ようやく描き方が定まってきました。 ――今後『樫木先生は私を推している!?』はどう描いていきますか。 高橋:次回は、2025年1月27日発売の「ザ花とゆめ ファンタジー3/1号」に掲載される予定です。次のお話はSNSに投稿した読切時代から数えると、実質4話目になります。 いよいよ準備してきた2回目のライブのエピソードです。主人公がアイドルとして一歩踏み出していきます。今あるすべてを出し切る気持ちで描いたので、ぜひ読んでいただきたいですね。 ――最後に今後の展望を聞かせてください。 高橋:堀田きいち先生の『君と僕。』が自分のバイブル的作品なんです。自分も読んだ人の心が2~3センチ軽くなるような、小さくてもポジティブな影響が与えられる作品を描けたらと思います。 ▪️『樫木先生は私を推している!?』は、ザ花とゆめ(1・4・7・10月の下旬ごろ発売)にて第2話まで連載中。次話は1月27日発売予定の「ザ花とゆめ ファンタジー3/1号」に掲載! ©ソノヘンノ高橋/白泉社
小池直也