エミーラV6ファースト・エディションに乗ると「こんなロータスもあったのか! と驚かされる」 これがに試乗したモータージャーナリストの松田秀士の本音!
ロータス最後の純エンジン車!
トヨタV6とAMG 4気筒の2つのパワーユニットが選択できるロータス最後の内燃エンジン車、エミーラのV6ファースト・エディションに試乗した2人のモータージャーナリスト、松田秀士さん、山田弘樹さんの本音やいかに? 【写真27枚】おじさんの心をときめかせるロータス・ブランド最後の内燃エンジン車、エミーラの詳細画像を見る! ◆「レースカーのようなエクゾースト・サウンド」松田秀士 ロータスといえば私の世代はサーキットの狼に登場するヨーロッパがまず頭に浮かぶ。あの時代、コンパクトで恐ろしく低いスタイルは憧れの的だった。その後ヨーロッパの精神を受け継いだエリーゼの登場で、ロータスといえばコンパクトで軽量な準スポーツカーというのが長らく世のイメージだった。 しかしエミーラは違う。エクステリア・デザインはエアロチックでセクシーさも併せ持つ。非常に美しいシルエットだ。そして乗り込めば最新のディスプレイに電動シートと至れり尽くせり。ラゲッジ・スペースも十分。ロータス=楽しいけれど、それなりに体力も使うアスリート系、という印象が強かったが、こんなロータスもあったのか! と驚かされる。 とはいえその気になればしっかりスポーツできるのは当たり前。トヨタ系3.5リッター V6エンジンはスーパーチャージャーで過給され405ps/430Nmを発揮。低速域から高速域まで淀むことなく加速させる。パドルを駆使すれば、まるでレースカーのようなエクゾースト・サウンドも楽しめるから、さらに元気が湧いてくるのだ。 ◆「V6エミーラのキャラクターには、6段ATが抜群に合う」山田弘樹 AMGと共同開発を行った直列4気筒ターボと8段DCTの組み合わせが間に合わなかったのは残念だったが、既存の3リッターV6スーパーチャージャーと6段ATの組み合わせは、それを忘れさせてくれるほどマッチングが良かった。 ご存じの通りエミーラは、アルミ製バスタブシャシーを使うロータスとしては一番ワイドで大きい。車両重量も、1500kg近くある。しかしこのワイド化によって得られた適度な室内空間の広さと、ロータスならではのしなやかな足まわりによる乗り心地の良さ、そしてV6エンジンの豊かな低速トルクをトルコンATで走らせるクルージングは、とても味わい豊かなのだ。 車重の重さも良い方向へ利いているのだろう、段差をひとつ乗り越えるだけでその収まりの良さに感心し、車線変更するだけで感じられるリニアな身のこなしに嬉しくなる。 そしてアクセレレーターの開度を上げて行くと、ブーストと共にスポーツカーらしさが色濃くなり出し、お楽しみの時間が始まる。タイムを狙うような走りを望むなら6段MTの方がいい。しかしV6エミーラのキャラクターには、6段ATが抜群に合うと思う。 写真=小林俊樹/郡 大二郎/茂呂幸正 (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
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