現役プロ野球選手が子ども支援 福祉事業に挑戦 DeNA・関根選手“二刀流”への決断「すべて全力です」
日テレNEWS NNN
横浜市にある子どもたち向けの児童発達支援・放課後等デイサービス『グローブ』。この施設の運営責任者を務めているのは、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの関根大気選手(29)です。現役プロ野球選手が、新規事業を立ち上げ“二刀流”に挑戦した決断について取材しました。 【画像】DeNA・三浦大輔監督「毎月いじってました」 初めての愛車『トヨタ スープラ』の思い出
関根選手は2013年ドラフトで5位指名を受け、横浜DeNAベイスターズに入団。2023年シーズンには、140試合に出場するなど走攻守そろった外野手としてチームを支えています。 関根選手が立ち上げたのは、発達に遅れがある子どものサポートや、集団生活が苦手な子どもの居場所を提供する福祉事業。事業を始めた理由について関根選手は「もともと子どもへの関心が強かったところはあります。僕が結婚して子どもを授かり、父として日々子どもの成長とか親の気持ちをその立場になって分かるようになったというのもあって」と語り「横浜市の、施設数含めて子どもたちで(児童発達支援・放課後等デイサービスに)通いたい人が通えていないケースが一定数あるというのを聞きましたので、それに貢献できるのであれば今からでも、現役時代とか関係なく今やれるんじゃないかなと思って、決断しました」と背景を明かしています。 今年10月から受け入れが始まったこの施設について、利用している保護者に話を聞くと「子どもも喜んで通っています。現役の選手が福祉の業界に入るのは異例中の異例という話もあったし、すごい冒険で、純粋にすごいなと思いました。発達に特性がある子は(私たちが)普通にできると思っていることが難しいことが多くて、こういう場所があることはすごく大切で助かっています」と感謝を語りました。
■「野球で学んだことを施設に」プロ野球選手と福祉事業 両立への思い
施設開所前の9月、スタッフたちを集めたミーティングが行われました。その中には関根選手のファンということで求人に応募したスタッフも。会議の場で関根選手は「(自分は)野球生活では、いわゆる順風満帆な人ではないです。その中でもいろいろ経験してきたこともあったりして、人生的にどんどん豊かになっている実感がある。そこの部分をみなさんと共有できて、この会社を通じて何か貢献できたらうれしいなと思っています」と心境を伝えました。 現役選手が事業を始めることについて関根選手は「野球選手なんで結果が出ないといろいろ言われてしまいますので、“事業をやっていたからおまえダメなんだよ”とならないように結果を残す。そのために野球の方ももっとやらないといけないと思いますし、取り組んでいかないとなと思っています」と覚悟を語ります。 プロ野球選手と福祉事業の両立、バランスについてはどのように考えているのか、記者の質問に「今はバランスとかは正直考えていなくて、すべて全力です」ときっぱり答えた関根選手。「物事は転用ができると思っているので、施設で学んだことを家族にも転用できると思いますし、家族から学んだことが野球にも、施設のことが野球にも、そして野球で学んできたことを施設に、とすべて転用できると信じているので、そういう意味合いではどんどんトライしていけば、僕の人生は豊かになるんじゃないかなと思っています」と充実した表情をにじませました。
■「まずは感謝」施設を始めた心境は
施設はまだ始まったばかり。関根選手に心境を聞くと「まずは感謝かなと思いますね。それは球団にもそうで、現役生活をやりながら一歩を踏み出す許可をいただけたことで、ここのスタッフそして子どもたちに僕は会えていますし、縁ができましたし」と語り「これからこの子たちがいろんなことができるようになっていくところを見られるんだろうなっていうワクワク感と、いろんな気持ちでいます」と期待を笑顔で明かしました。