慶大・延末藍太が2ランで貢献「1球で仕留められた」 昨夏甲子園Vメンバー フレッシュトーナメント/東京六大学
東京六大学野球秋季フレッシュトーナメント(14日、慶大10×ー0東大=規定により五回コールド、神宮)Aブロックでは慶大が東大に10ー0で五回コールド勝ち。ブロック戦2勝0敗の首位で、3季連続16度目の優勝をかけて、15日の決勝戦に駒を進めた。四回に代打で出場した、延末(のぶすえ)藍太内野手(1年、慶応高)が右越えの2ランを放ち、勝利に貢献した。 打った瞬間それとわかる一打だった。慶大・延末が四回に右越えの2ラン。手応え十分の当たりに、バットをほうり投げてダイヤモンドを一周した。 「完璧でした。(球が)甘かったと思うが、1球で仕留められてよかった」。7ー0の四回1死一塁。3球目の甘く入った118キロの球を逃さずに一閃。火の出るような打球はあっという間に右翼席中段に着弾。公式戦では初本塁打となった。 入学当初から取り組んだ木製バットの対応。「金属と違って当てただけでは安打にならない」と強いスイングを心掛けてバットを振り続けた。勝利に貢献した左打者は「(練習した)成果が今日出たのかなと思う」と手応えをにじませた。 悔しさを胸に抱いて臨む新人戦だ。昨夏の甲子園で慶応高の不動の一塁手として、打率・364(22打数8安打)、5打点で、107年ぶりの優勝に貢献。しかし、慶大進学後は、リーグ戦メンバー入りはかなわず、応援する日々が続いた。同期の丸田や、大学日本代表候補合宿メンバーに選ばれた渡辺憩は春からベンチ入りするなど活躍する姿を見続けた。「置いていかれてるなと思っている」と複雑な心境を明かした。 だが、このままでは終わらない。結果でアピールし、自分もリーグ戦で神宮のグラウンドに立つ。「ずっと追いつき追い越せでやっている。負けてられないなという気持ちを持っている」と強く意気込んだ。 同じポジションの先輩の姿を追いかける。今季、一塁は清原正吾内野手(4年、慶応高)が守り続けた。9日の早慶1回戦では、早大のエース、伊藤樹から本塁打を放つなど4安打1打点と大活躍。4番としてもチームを引っ張る背中に、「ここぞの場面で打ったりとかスター性もある。正吾さんの打撃や日頃の態度とかを見ていて、チームを引っ張る選手はああいう人なんだなと思っていた」と尊敬の念を口にした。 4年生が引退し、空いた位置には自分が座る。「一塁手は打たないと使ってもらえない。自分の持ち味を出しつつ、打撃を高めていってレギュラーを取れるように頑張る」と定位置奪取に向けて鼻息を荒くした。フレッシュな力を存分に発揮し、延末がこれからも飛躍を続ける。(児嶋基)