仲間と再会、白球の絆 学童野球、大徳と輪島が練習試合
●避難児童が所属 金沢・大徳クラブ ●4チームが合併 輪島フェニックス 能登半島地震で輪島から金沢に避難した児童5人が所属する学童野球チーム・大徳クラブと、輪島市内の4チームが合併して発足した輪島フェニックスが16日、金沢市大徳小グラウンドで初めて練習試合を行った。輪島から引っ越した児童は、元チームメートと久々に再会。「古巣」と試合ができることを喜びながら全力で白球を追った。 【写真】練習試合で交流を深めた両チーム選手 ●「大きくなって帰ってこい」 輪島フェニックスは6年生14人、大徳クラブは5、6年生の10人が出場し、2試合が行われ、1勝1敗で星を分けた。 試合中、輪島の選手が大徳に移った選手たちに「大きくなって帰ってこい」と声を掛ける場面もあった。元鳳至クラブの坂角葵翔(あおと)さん(10)=大徳小5年=は「試合で交流できて楽しかった。次は絶対に打ちたい」と笑顔を見せた。 輪島フェニックスは、地震で選手が減ったり練習環境が整わなくなったりしたことを受け、4月に市内4チームで結成した。 合併前の大屋少年野球クラブの監督として、鳳至クラブの選手も見てきた坂本匡(たすく)コーチは「金沢に避難した選手たちの成長ぶりが見られて良かった」と喜んだ。練習場所は今も限られ、遠征も大変な中、「多くのチームから練習試合の声を掛けていただいている」と感謝した。 大徳クラブは震災後、能登島クラブ(七尾市)や能都宇出津チーターズ(能登町)とも交流してきた。藤田卓也監督は「練習場所の提供など、これからもいろんな協力をしていきたい」と語った。