フェラーリ・アプルーブド(認定中古車)の仕組みがすごい!即納と価値向上を可能とした「お墨付き」制度
■古いモデルには「クラシケ」という制度も それだけではない。フェラーリには「フェラーリ・クラシケ」なる、製造から20年を経た車両の公式認証プログラムも設定されている。 「クルマの歴史的地位を維持して売却時に価値を高めるだけでなく、オーナーは長期にわたってスペアパーツの恩恵を受け、最も権威のある公式イベントに参加できるようになります」(フェラーリ公式サイト)。これがフェラーリ・クラシケ認証のメリット。
メーカーが「良好」と認める状態を保っていれば、このフェラーリ・クラシケの認証が得られる可能性が高くなる(有償)。フェラーリの世界を拡張する、同社のしたたかな戦略でもあるのだ。 「デイ・ゼロ(購入の時点)から永遠にクラシック・フェラーリの価値を享受していただけます・たとえば、フェラーリ・アプルーブドで14、15年前の『458イタリア』を入手すれば、そのあと5年ほどでフェラーリ・クラシケの認定を受けられるのです」(ショレッティ氏)
ユーザーから“気になる”と言われているのは、ハイブリッドモデルも「今までと同様に長いあいだ維持できるのか」ということだそう。 ハイブリッドモデルでは、駆動用バッテリーをはじめ、エンジン車と異なる部品も多い。特にバッテリーの性能劣化は、大きな焦点になる。 「延長保証に入っていれば、8年目あるいは16年目にバッテリーを交換できます。フェラーリ・アプルーブドでも、バッテリーの状態は重要なポイントです。その先、ハイブリッドモデルがフェラーリ・クラシケになったときどうするか、ですね」
ショレッティ氏はうなずきながら、「対策はとっています」という。 「たとえば、駆動用バッテリー。私たちはバッテリー工場を自社内に設け、各モデルにぴったりあったサイズと性能のバッテリーを供給し続けます」 ■2台のアプルーブド・フェラーリを確かめる フェラーリ車の価値の大きな部分を占めるのは、(言うまでもなく)走行性能。今回フェラーリでは、アプルーブドの「SF90ストラダーレ」と「296GTB」なる2台のハイブリッドモデルを用意して、同社が新車のテストにも使うフィオラノ・テストトラックを走るチャンスをくれた。