2023年下半期のGⅠデータまとめ イクイノックスやドウデュースら「最強4歳世代」が躍動
来年以降の飛躍へ、若駒たちの決戦
次に世代限定GⅠ・5レースを振り返る。 牝馬三冠最終戦、秋華賞でリバティアイランドは牝馬3冠を達成した。4コーナーで早め先頭に立ち、そのまま押し切るという横綱相撲。2着は上がり最速の脚で猛然と追い込んだマスクトディーヴァ、3着には内枠から上手く立ち回ったハーパーが入った。秋華賞当日は偶然にも川田騎手の38歳の誕生日だった。「競馬の神様がくれた最大、最上のプレゼント」と評したリバティアイランドと、来年はどんな競馬を見せてくれるだろうか。 23年ぶりの皐月賞馬vsダービー馬に注目が集まった菊花賞。制したのは夏の上がり馬ドゥレッツァだった。このレースはルメール騎手の手綱捌きが光る一戦に。ルメール騎手は序盤で大方の予想を裏切る逃げの手に出ると、ロスの少ない内ラチ沿いを確保。向正面では一度馬群に飲み込まれる場面もあったが、最後の直線では上がり最速の末脚で2着に3馬身差をつける圧勝劇を見せた。2着はダービー馬のタスティエーラが入り、3着には外から追い込んできた皐月賞馬ソールオリエンスが入った。3歳牡馬の真打・ドゥレッツァ。遅れてきた大器は、来年もこの世代で「最も強い」菊花賞馬としてどこまで活躍するか楽しみだ。 2歳女王決戦・阪神JFはアスコリピチェーノが差し切りを決め、無敗の3連勝で2歳女王に輝いた。鞍上の北村宏司騎手はキタサンブラックの菊花賞以来、8年ぶりのGⅠ制覇。勝ち時計1:32.6はレースレコード。今年の2歳牝馬のレベルの高さが如実に表れた形だ。2着には赤松賞を勝ったステレンボッシュ、3着には京王杯2歳Sを制したコラソンビートが入った。ここにアルテミスSを圧勝したチェルヴィニアや、サウジアラビアRC2着のボンドガールが加わる来年の桜戦線は、かなりハイレベルになりそうだ。 朝日杯FSで2歳マイル王の座に就いたのはジャンタルマンタル。こちらも無敗の3連勝での戴冠となった。レースは早め先頭から後続を突き放して完勝。来年から日本に供用されるパレスマリス産駒であり、まさに親孝行なGⅠ制覇となった。2着は復帰初週の武豊騎手騎乗のエコロヴァルツ、3着には牝馬のタガノエルピーダがキャリア1戦ながら入った。ここでも2歳牝馬のレベルの高さが証明されたことになる。 2歳中距離王決定戦、ホープフルSは紅一点のレガレイラが勝利。牝馬の同レース制覇はもちろん初。繰り返しにはなるが、このレースでも2歳牝馬のハイレベルさが示された。来年は皐月賞を目指すことも示唆され、1948年ヒデヒカリ以来の牝馬による皐月賞制覇にも期待が高まる。2着には2番人気シンエンペラー、3着には13番人気のサンライズジパングが入った。