高市早苗氏、後任の城内実氏に「疲れとるやろ」 閣僚引き継ぎ、ドラクエソングで見送りも
石破茂内閣の発足に合わせて、岸田文雄内閣の閣僚らは離任式や新旧の引き継ぎ式などに出席し、それぞれの思いを抱えながら後継者に後事を託していた。 【写真】「仏の信太郎 ありがとう」黒の特製Tシャツを紹介した伊藤信太郎前環境相のインスタグラム ■夢は習字の先生 2日午後、中央合同庁舎第8号館の大臣室。高市早苗前経済安全保障担当相は後任の城内実経済安保担当相との引き継ぎ式に臨んだ。 引き継ぎ書に筆で署名する城内氏が「筆が苦手なんです」と謙遜すると、高市氏は「キレイキレイ」と気づかい、「子供の頃の夢は習字の先生なんです」と打ち明けた。 2人で記念撮影に応じた際は、どことなく表情の硬い城内氏に対し、「疲れとるやろ」と気づかう場面も。城内氏も「疲れています」と初入閣の心境を正直に漏らしていた。 ■自衛官こそ「国の宝」 「皆さんこそ、自衛隊の、そして日本の宝です。『国を守る』という共通の使命のもと、働く同志としてこれからも皆さんともにあり続けます」 木原稔前防衛相は2日午前、防衛省で離任行事に臨み、同省職員や自衛官らにこうあいさつした。 作曲家、すぎやまこういち氏が手掛けた人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマが演奏される中、木原氏は同省を後にした。 ■仏の信太郎 「どう？」 伊藤信太郎前環境相は2日、退任する際、環境省の記者有志らから黒の特製Tシャツが贈られたという。伊藤氏がインスタグラムのストーリーズ（短い動画などでの投稿）に紹介したTシャツには「仏の信太郎 ありがとう」とある。 伊藤氏を巡っては、5月に熊本県水俣市での水俣病の被害者団体との懇談の席で、被害者側の発言を同省の担当者が遮るトラブルが起きた。伊藤氏はその後、現地を繰り返し訪れては被害者団体と懇談を行い、謝罪も続けた。 同省のベテラン記者（75）は「伊藤氏は一切職員を責めることなく、自らが率先して頭を下げることに徹した。被害者団体に丁寧な対応に終始し、こんな大臣はこの10数年いなかった。省内で『仏の信太郎』といわれていた」と語る。（奥原慎平）
