部下と上司の関係「ちょいゆる感」が実は重要な訳 「フラットな間柄」がもたらす意外な効果とは
同書では、話の重複、モレ、ズレをなくす技術として「MECE(ミーシー)」が紹介されています。この「MECE」という言葉も、ブームに乗って広まりました。 「MECE」とは、「Mutually(お互いに)」「Exclusive(重複せず)」「Collectively(全体に)」「Exhaustive(漏れがない)」の頭文字からできた言葉です。何かを考えたり、正確な答えを導き出すために必要なこととされています。
リーダーがチームのメンバーたちに対して、仕事に必要なことを伝える際にも、こうしたロジカルシンキングに基づき、伝えるべきことを整理できるスキルが求められます。 ■話しかけやすい雰囲気を作る 一方、「話しかけやすい柔らかい雰囲気」は、人の感情と深い関わりがあります。 人には必ず感情があり、リーダーはメンバーの感情に影響をおよぼす存在です。そこでリーダーには、部下の感情を適切にくみ、配慮や寄り添うスキルが求められます。
リーダーはメンバーの行っていることを理解し、適切にコミュニケーションが取れるようでなければなりません。ですから、リーダーはいつでも、メンバーが躊躇なく話しかけられる雰囲気でいる必要があります。 そのため、リーダーに求められるのが「話しかけやすい柔らかい雰囲気」なのです。人は、厳しい表情の人より、笑顔でいる人のほうが断然話しかけやすいと思いませんか? 「上司と部下という関係があるのだから、メンバーはリーダーに対して、話の内容や言葉を選んで話してほしい」というスタンスより、「同じチームの仲間なんだから、何でも話していいよ」というスタンスのほうが、あれこれ相談しやすいのではないですか?
そこで、リーダーのポジションパワーを感じさせないように、メンバーにはフランクに接することが大切です。 もしかしてあなたは、「そんな態度だとメンバーになめられて、むしろよい関係が築けないのでは?」と考えているでしょうか。 そんなことはありません。 メンバーが話しかけやすく、何を話しても否定されないと感じられる柔らかい雰囲気を醸し出しながらも、仕事や成果に真摯に向き合っていれば、一緒に働いているメンバーには、その思いはちゃんと伝わるものです。