部下と上司の関係「ちょいゆる感」が実は重要な訳 「フラットな間柄」がもたらす意外な効果とは
そこで目指すのが、フラットな関係作りです。 役職や社歴によって、目上・目下がはっきり分けられていると、目下の立場にいる人からは、目上の人に対して発言しにくくなります。 もちろん、組織ですから、役職や社歴の違いはそれぞれありますが、それによって発言をためらわなければならない環境にしないことです。 特にリーダーは、メンバーにとって目上の立場にいる人です。 ですからリーダーから率先して、「何を発言しても大丈夫、否定したりせず、メンバーの意見を尊重する」といったフラットな関係を作る必要があります。
フラットな関係作りとは、メンバーにとって、リーダーやほかのメンバーの顔色をうかがう緊張を強いることがない、いわば“ちょっとゆるい雰囲気”作りです。 この“ちょっとゆるい雰囲気”ができあがっているからこそ、メンバー1人ひとりが活発に発言できます。その結果、1人ひとりの発言量も増えていきます。 だからこそ、「自己決定感」を持てます。 そのためメンバーの納得感が高くなり、「仕事が楽しい」「自分からどんどん行動したい」「次もまた自分のアイデアを出したい」「次の企画会議が待ち遠しい」と感じることができます。
要は、メンバー1人ひとりのモチベーションが高まっている状態です。 こういう「場作り」「雰囲気作り」をすることも、リーダーの役割だと考えています。 次にいよいよ、「メンバーが主体的に行動し、仕事のやりがい・達成感を得られるチーム」におけるリーダーの姿についてお話ししましょう。 優れたリーダーの条件はいろいろありますが、大きく分けると2つ。1つは「ロジカルであること」、もう1つは「話しかけやすい柔らかい雰囲気」です。
「ロジカルであること」は、リーダーのベーススキルです。仕事に必要なことを、チームのメンバーたちにわかりやすく伝えることが、リーダーの仕事として必須だからです。 この「ロジカルであること」の基になっているのは、コンサルティング業界に由来する「ロジカルシンキング」です。 日本では、2001年5月にマッキンゼーの照屋華子・岡田恵子著『ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル』(東洋経済新報社)が出版されて、一躍ブームになりました。