大阪万博費用の全体像を初公表 「批判だけではなく、経済が循環する全体像を把握することが大事」佐々木俊尚が指摘
ジャーナリストの佐々木俊尚が12月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。政府が初公表した大阪・関西万博の費用の全体像について解説した。
政府が大阪万博費用の全体像を初公表
政府は12月19日、2025年大阪・関西万博の費用の全体像を初めて公表した。直接開催の準備などに掛かる国費の総額は最大1647億円で、これとは別に万博との関連性が高い会場周辺のインフラ整備などの事業費を合計8390億円と見積もった。 飯田)費用の執行状況等を確認するため、有識者委員会を設置することも明らかにしています。建設コンサルタントらで構成され、来年(2024年)1月にも初会合が行われる予定です。 佐々木)数字を透明化するのは大事なことです。ただ、「8000億円も使うなんて無駄金だ」と怒る人が多いけれど、経済波及効果も考えてバランスを取らなければいけません。実際、発表した自見万博担当大臣も、「経済波及効果も再度試算する」と発言しています。「どのくらい国費を投じて、それに対して経済効果がどのぐらいあるのか」ということです。
インフラも含め8390億円の費用に対して、経済波及効果の試算は2兆4000億円
佐々木)開催準備が1647億円、インフラも含めて合計8390億円ですが、それに対する試算が出ていて、経済波及効果自体は2兆4000億円くらいあると言われています。大阪で行われるであろうイベントも含めれば、2兆8000億円ぐらいになるのです。仮に8400億円を投じて、経済波及効果が2兆8000億円ぐらいあるのだとしたら、言い方は変ですが、大儲けではないですか。財政を投入するというのはそういうことです。「使って終わりで、何も残りませんでした」ではなく、使ったことによって仕事や雇用が増え、インフラも整備される。それによって経済が循環するという全体像の把握が大事だと思います。 飯田)経済が循環する全体像を。 佐々木)「使ったらなくなる」と思っている人が多すぎるのです。使うことによって効果が出て、それが経済を回す1つの原動力になるという発想を持たないと、「何もやらない方がいい。万博なんかやめて、浮いた8000億円を国庫に納め、一切使わないように貯めた方がいい」という話になってしまうわけです。これでは誰も得しませんよね。