DeNAのD2位・篠木健太郎、法大の先輩・江川卓氏と同じ「30」でハマの怪物襲名だ
DeNAのドラフト2位・篠木健太郎投手(22)=法大=が9日、法大の先輩でプロ通算135勝を挙げた元巨人の江川卓氏(69)を目標の投手に挙げた。この日は、神奈川・横須賀市の横須賀スタジアムで行われた新人合同自主トレーニングに参加。江川氏と同じ背番号「30」を背負う最速157キロ右腕が、怪物級のストレート習得を目指す。 2002年生まれの22歳にとっても、その存在は特別だった。即戦力の先発候補、篠木は報道陣から自身の背番号「30」のイメージを問われると「法政大学の江川さんです」と即答。巨人で135勝を挙げた怪物への憧れを口にした。 「大先輩が背負っていた番号。しっかり偉大な先輩に少しでも近づけるように、僕も1日1日を大切に頑張りたい」 江川氏といえば〝ホップする〟と称されるストレート。篠木は最速157キロの直球が武器で、東京六大学のリーグ戦では通算49試合で14勝12敗、防御率2・26の成績を残し、275回⅓で238三振を奪った。「怪物」と呼ばれた江川氏は、自身が生まれる前の1979-87年に巨人で活躍した伝説的投手で直接会った経験こそないが「ストレートがすごく強い。動画も見たことがあります」と明かし、「(江川氏のような)空振りやファウルを取れるストレート、強いボールを投げたい」と目標に掲げた。 理想とする伸びのある直球を投げた経験は「感覚的にはある」と胸を張る。今後は三振が必要な場面など、再現性を高める必要がある。7日の入寮から、まだ3日。経験豊富な球団スタッフや選手に加え、最新の科学的アプローチで技術向上を図れる総工費約40億円の球団施設「DOCK」も大きな味方になる。「(理想の直球を)自分のものにしたい」と力を込めた。 この日は快晴の横須賀スタジアムで、キャッチボールや600メートル走など軽めのメニューで調整した。普段はゆったりとした語り口調だが、マウンドに上がれば雄たけびを上げて気持ちを前面に出すタイプ。「負けず嫌い。強気な気持ちを見せたピッチングが一番の売り」と語り、同期入団の選手からはあまりのギャップに「話しかけられない奴かと思った」と安心する声もあったという。 法大の先輩、石田健からは入寮後に「篠木、声張っていけよ」と背中を押され、「元気に頑張りたい。これからもっと声を張ります」と気合は十分。法大出身のシン背番号「30」が、真っ向勝負で心技体を磨いていく。(阿部慎)