森田想、18歳でレッドカーペットを歩く注目女優に。中学生でメインキャストになれなかった悔しさから奮起「すべてがいい経験」
――監督は何かおっしゃっていました? 「とくには何も。私は『間違えた。ちょっとこんがらがっちゃった』みたいなことは言ったと思います。それこそ紅甘とかは気づいているので」 ――リハーサル期間の途中で芝居を変えてくれと言われたこともあったそうですね。 「そうなんです。キャストの中で私だけ『いったん全部白紙に戻して、素の森田想として演じてほしい』って言われて。ずっとみんなで一緒にリハーサルしてきたのに、突然私の芝居が変わったので、みんなビックリしていました」 ――難しかったシーンは? 「(青木)柚とのシーンの前が難しかったかな。ロビーで悩んだ記憶があります。難しかったですね。今思うとそれをよく理解できたなとも思うんですけど」 ――初めての主演映画を撮り終えていかがでした? 「主演だと思ってやったわけではないんですけど、名前を一番最初にしていただいたので感動しました。渋谷ユーロスペースさんで上映してもらったし、あんなセリフ量をしゃべることも初めてだったので宝物みたいな作品。本当にうれしかったです」 ――臨場感がありましたね。見ていてドキドキしました。 「下北沢の町のシーンとかもゲリラで撮影をやっているので結構緊張しました。知らない人の間を勝手に通ったり、車を待ったりとかやっていました。ワンカットだと室内だけでも大変なのに、外に出ていくわ、別の人が入るわっていうのがあって…よくやったなと思います(笑)。 あと、音楽とタイミングもMOROHAと合わせなきゃいけなかったし…。きっかけとかもあるので難しかったですけど、ただ変な話、あれをやっちゃったので、大抵のロングカットは平気になりました。10分とか全然余裕ですね(笑)。この間のドラマでも、本物のバンドの方と合わせるシーンもあったのですが、慣れていておもしろかったです。自信にはなったかもしれないですね」 ――あの映画は、そもそも松居監督がやる予定だった舞台が流れて撮ることになったとか。 「そうです。舞台が中止になっちゃった怒りで作ったというのは本当です。ブチギレて作った映画です。だからもうブチギレた顔のまんまやっていました(笑)」 ――作品が完成して監督には何か言われました? 「うれしがっていました。韓国の全州国際映画祭に一緒に行ったのですが、それもすごく喜んでくれて、その顔も見ていたので、参加できて本当に良かったなと思っています」 ――東京国際映画祭でも上映されましたね。 「はい。自分が思い描いている晴れ舞台だったので、すごく充実していましたね。みんなで出られたのもうれしかったです」 ――18歳でレッドカーペットも経験されて。 「はい。レッドカーペットを歩く夢が叶いました。周りの友だちが結構みんな忙しい時期で、高校生の時点で焦りとかもあったので、あの時点で『アイスと雨音』に出演できたのは良かったなと。友だちからも褒めてもらえたし、自分らしい作品だったのかなと思います」 『アイスと雨音』で注目を集めた森田さんは、映画『タイトル、拒絶』、『放課後ソーダ日和 特別版』、映画『踊ってミタ』(飯塚俊光監督)、連続テレビ小説『エール』、『先生を消す方程式。』など話題作に次々と出演することに。次回は撮影エピソードなども紹介。(津島令子) ヘアメイク:齋藤美幸 スタイリスト:入山浩章