「サーフィンもいいけど」父・純一郎氏の「偉大なるイエスマン」自民党元幹事長が指摘した進次郎氏に“足りないもの”
9月27日投開票の自民党総裁選に向け、史上最多となる9人の立候補者による論戦が連日、繰り広げられている。 【写真あり】小泉進次郎氏、福島でサーフィン 「国会議員票はほぼ、読めてきました。トップとみられるのは、小泉進次郎元環境相。岸田文雄首相の最側近といわれる木原誠二幹事長代理、斎藤健経済産業相などが、新たに支持を表明しています。小泉氏が50人以上の支持を固めトップに立ち、小林鷹之前経済安保担当相が続きます。さらに林芳正官房長官、茂木敏充幹事長の第2グループ、石破茂元幹事長、高市早苗経済安保担当相の第3グループが追い上げます。 一方の党員票では、高市氏と石破氏が拮抗しながらリード。これに進次郎氏が続く構図です。 いずれにしても、1回めの投票で過半数を獲得する候補者はいないとみられ、決選投票になる公算が大きいようです。勝ち上がった2人の顔ぶれで、国会議員票が大きく動く可能性があり、予断は許しません」(政治担当記者) こうしたなか、各報道では進次郎氏が決選投票に残るという予測が目立っている。 「自民党の刷新感を出すには適任という見方や、年内にもあるとされる衆院選、2025年夏の参院選で『華がある総裁』という思惑もあり、支持が広がっています」(自民党議員秘書) そんな自民党の“華”である進次郎氏を「甥っ子のように思っています」と語る人物がいる。進次郎氏の父である小泉純一郎氏が首相だった当時、農林水産相、自民党幹事長を務め、首相の「偉大なるイエスマン」を自任した、武部勤氏だ。 武部氏は、今回の総裁選、そして進次郎氏を、どのように見ているのか――。 「今回の総裁選は、多くの立候補者が出たことに意義がありますね。これまでのように、派閥のしめつけがなくなったことを意味していますから。 さらに、進次郎くん、小林くん、高市さん、上川陽子さんが立候補したことで、活性化しました。 そのなかで、私は進次郎くん、小林くんに期待しています。日本の総理総裁というだけでなく、これからの世界を考えていくには、リーダーに期待したい」 このように、総裁選での“推し”を明らかにした武部氏。告示前、純一郎元首相が進次郎氏の総裁選出馬に慎重だったことが伝わったが、武部氏は純一郎元首相の胸中を、次のように慮った。 「父親としては『もっと多くの経験を積んで、真の仲間、同志を作ってほしい』という思いがあるのでしょう。仲間づくりには時間がかかります。私にも、まだ『進次郎チーム』というものが見えてきていません。 そして、目先の権力闘争に巻き込まれることも心配したのだと思います。進次郎くんも、そうした父親の心情はわかっているでしょう」 労働規制緩和、ライドシェア全面解禁など、進次郎氏が打ち出した政策については、どう評価しているのだろうか。 「問題提起するテーマではあると思いますが、政策を『1年以内に実現する』と言ったのは、若さですね。 純一郎元首相も、『郵政民営化』このひとつ(の政策)で選挙に勝ちましたが、自民党は、総務会の全会一致が得られなければ、国会に法案提出ができません。その総務会を通すのに大変な苦労がありました。反対意見がある法案を通すために、党内をまとめるのは本当に大変なんです。 進次郎くんは、そうした(党内をまとめる)経験がまだまだ少ないでしょう。だから、『1年』と区切ってしまって大丈夫かな、と心配しています。 そうしたことからも、早く、私のような『偉大なるイエスマン』を見つけることが大切だと思っています」 最後に、純一郎元首相と進次郎氏の共通点と、違いについて聞いた。 「共通点は、おふたりとも天性の“華”というか、オーラがありますね。育ちのよさでしょうか。 違いですか? 純一郎元首相は論語をボロボロになるまで読みこみ、日本の歴史、文化を勉強していました。進次郎くんも、サーフィンもいいけど世界観・国家欲をしっかり持ってほしい。また、日本の歴史、伝統、文化、魂が根づいている地方へ、もっと足を運んでほしいですね。日本再生は地方から、です」 武部氏が指摘した、進次郎氏に“足りないもの”。総裁選までに、彼は身に着けることができるのか。