草彅剛が持ち続ける“子ども心”とは? 高倉健への憧れ、主演映画『碁盤斬り』……変わることへの意識
草彅剛が語ってきた自分なりの“大人のあり方”
そんな彼が、『碁盤斬り』の撮影を通して“大人になること”=“変わること”を意識したのは、ひとつのトピックと言えるのではないだろうか。 いや、たしかにこれまでも草彅は“子ども”と“大人”について意見する機会はいくつかあった。自身のYouTubeチャンネル「ユーチューバー 草彅チャンネル」では、「大人って裏表を変えたりするじゃないけど、ストレートに言うより、大人としてこうなのかなって気を遣われる。それはかえって面倒くさい。なるだけシンプルに」と、自分なりの“大人のあり方”について話していたこともある。 『碁盤斬り』のどういった要素が草彅に“大人になること”を意識させたのかは、高倉健との思い出以外は番組内では語られていなかった。ただ、もしかすると2020年の結婚を経て守るべき家庭ができた草彅にとって、劇中、妻や娘との関係が不条理にも断たれる格之進が抱く怒りや悲しみは、“他人事”に思えない部分もあっただろう。そういった物語やキャラクターの背景が、草彅に刺激を与えたようにも感じられた。 それらの点で『碁盤斬り』は、草彅剛という人物を語るうえで欠かすことができない代表作になる可能性を大いに秘めているのではないだろうか。
田辺ユウキ