『Windblown』体験版レビュー。『Dead Cells』開発の新作は高速バトルのローグライトアクション。マルチプレイ対応でハチャメチャ感が最高
10月25日午前1時ごろに早期アクセス版がリリースされるPC(Steam)用ソフト『Windblown』。本稿では先行体験版のレビューをお届けする。 【記事の画像(18枚)を見る】 『Windblown』は、メトロイドヴァニアとして人気の2Dアクション『Dead Cells』を開発したフランスのゲームスタジオMotion Twinが手掛ける新作ローグライトアクション。『Dead Cells』とは異なり、見下ろし視点が採用され、登場人物はデフォルメされたかわいらしい生物となっている。 一見カジュアルな印象を受けるが、主人公が倒されると一部の交換用のアイテムを除き、すべての武器やブースト効果などが失われ、拠点の村に戻されるというローグライトらしい仕様だ。先行体験版では第2のバイオームまでプレイ可能。最大3人まで参加できるマルチプレイについても紹介していく。 スピーディーなバトル&武器やギフトのビルドが楽しいローグライトアクション 本作の舞台は、アークという空に浮かぶ村。そこに住む人々は、あらゆるものを破壊する強大なヴォルテックスの脅威にさらされていた。主人公は戦士“リーパー”となり、故郷を救う戦いへと身を投じることとなる。 ゲームを開始すると、まずはチュートリアルとともに1回目の探索が始まり、それを終えるとアークに帰還。2回目の探索からのプレイヤーの所持品は、初期武器のサシミ包丁レベル1と、回復アイテムの体力の瓶1本だけ。探索で“歯車”、“メモナイトの塵”、“メモナイトの欠片”などを集め、それをアークで使用すれば機能や武器などが解放され、プレイヤーを強化できる。 武器はメインとサブそれぞれに1本ずつ装備可能で、2本の武器を使い分けてコンボをつないで戦っていくのが基本となる。さらに独自システム“オルターアタック”をコンボに組み入れれば、より大ダメージを与えることが可能だ。 オルターアタックとは、メインかサブどちらかの武器でのみコンボをつなげると、プレイヤーの頭上にシグナルが出現し、その直後に違う武器を使用すると強力な攻撃をくり出すバトルシステムだ。ただし、オルターアタックにつなげやすい武器と、オルターアタックが強力な武器は異なる。 たとえばサシミ包丁はコンボ3回でオルターアタックにつなげられるが、名刀オオガラスという武器はコンボ5回でオルターアタックを発動可能。サシミ包丁のほうが手軽に発動できるが、名刀オオガラスのほうが強力だ。そのため、サシミ包丁でコンボを稼ぎ、名刀オオガラスでオルターアタックを狙うといったように、メインとサブの武器の組み合わせが重要となる。 片方の武器で一定回数攻撃をくり出すと頭上にオルターアタックのシグナルが表示。 シグナルが表示中に違う武器で攻撃すると強力なオルターアタックが発動する。 また、ボスやミニボスなど、強敵の体力をある程度削ると“結晶化”というフィニッシュムーブでトドメを刺すことが可能(特定のギフト(後述)を習得すると小型の敵にも結晶化をくり出せる)。結晶化で敵を倒すと一部のドロップ品の確率が上がるので、コンボのフィニッシュは結晶化を狙っていこう。 強敵の体力を一定以上削ると結晶化のアクションボタンが短い時間表示される。 時間内にボタンを押せば結晶化が発動してトドメを刺せる。 先行体験版で確認できた武器の種類は、いまのところ10種。それぞれリーチやダメージ、攻撃のモーション、長押し攻撃の有無などの特徴が違う。初期から解放されている武器はサシミ包丁、カタール、名刀オオガラス、クナイの4種で、ほかの武器は探索中に“暗号化された記憶”を入手した後、アークで解放すると探索中に出現するようになる。 先行体験版のおもな武器 サシミ包丁:サカナには完璧! でも冒険には? 最後の攻撃がクリティカルになる。カタール:バックスタブでクリティカルを与える。[長押し]ダッシュで敵の背後に回る。名刀オオガラス:3回目の攻撃でクリティカルを与える。[長押し]ジャンプ攻撃を行う。巨大剣:遅いが強力な武器。最後の攻撃がクリティカルを与え、スタンさせる。粘液ブラシ:対象に粘液を与え、クリティカルを発生させやすくなる。タメギリの剣:長押しでクリティカルを与える。クナイ:呪詛を与える(それぞれ+4%)。[長押し]すべての呪詛が爆発し、クリティカルを与える。リズムボウガン:適切なタイミングで発射するとクリティカルを与える。手裏剣:距離によってダメージが決まる。最大射程で使うとクリティカルを与える。盾:盾をかかげることで防御し、攻撃をブロックあるいはパリィできるようになる。 筆者は接近戦メインでコンボと火力重視の武器を組み合わせることが多かった。遠距離攻撃できる武器で距離を取って安全に戦う、敵にデバフを与えてマルチプレイで支援、ガードやパリィに成功するとオルターアタックにつなげられる盾で最前線で戦うなど、武器の組み合わせの種類は自由だ。 なお、武器のレベルが上がると性能が上昇するだけでなく、レベル3以上の武器には“敵に呪詛を1回分与える”など、ランダムで特殊な効果が付与される。なかには“サイズ+100%”といったように、攻撃範囲が大きく広がるレアな効果もあった。 個人的に先行体験版では、長押しでジャンプ攻撃を放てる名刀オオガラスを愛用していたが、運が悪いと探索中に目当ての武器が入手できないことも……。プレイヤースキルだけでなく、道中での武器ドロップがダイレクトに難易度を左右するので、探索では毎回違った攻略方法が求められる。 敵にダメージを与えるものとしては、武器のほかに“秘宝”や“マサカナ”と呼ばれるアクティブスキルのようなものが用意されている。どちらも強力だが、使用後は一定時間のクールタイムが発生するので連発はできない。 先行体験版のおもな秘宝の種類 粘液爆弾:粘液を与え、4秒間、敵にダメージを与える。爆弾:周りでドカーンと爆発を起こす。グレネード:敵に向けて爆発物を投げる。ブレードストーム:近くにいる対象にくり返しダメージを与える。デトネード:敵を吸引してから爆発する。フロスト・ノヴァ:周りの敵を凍結させる。死のオーブ:進路にいる敵にくり返しダメージを与える。燃焼のオーラ:爆発して5秒間燃焼を与え、さらにオーラの中にいる味方全に燃焼付与を与える。 先行体験版のおもなマサカナの種類 フミダイ:この上にダッシュするとジャンプ攻撃ができる。 そのほか、“ギフト”と呼ばれるパッシブスキルも重要だ。ギフトは3つまで装備可能(アークの拡張で装備枠を増やせる)で、キャラクターのパワーアップに役立つものから攻撃をサポートするもの、回復効果のあるものまで、さまざまな種類が存在する。 筆者は、生存確率を上げるために敵を倒すと4%体力が回復する“死霊術”と死亡を1回まぬがれる“九死に一生”を活用することが多かった。獲得する歯車の量が20%増える“大儲け”も、アークでの機能解放を早く進められるのでオススメだ。 なお、秘宝、マサカナ、ギフトについても武器と同様に、探索中に暗号化された記憶を入手後、アークで解放すると探索中に出現するものが増えていく仕組みだ。 探索中のパワーアップ要素としては、上記以外に“ブースト”が存在。体力、ダメージ、クリティカルダメージ、“貝殻”(探索中に使える貨幣)の入手量を上昇させられる。同じ効果を選んだ場合は効果が累積されるので、なにかに特化して育てるのもありだ。 探索を終えると各種解放に使う歯車、メモナイトの塵や欠片、暗号化された記憶以外はすべて失う。そのため、探索のたびに少しずつアークで機能や武器を解放してプレイヤーを強化し、より奥を目指していくことになる。 探索中に入手できる武器やギフトは毎回異なるので、どのようなビルドを組むのか非常に悩むところ。しかし、それこそがローグライトならではの楽しみでもある。 アクションに関しては、敵の行動を見極めてダッシュで回避するのが基本。最初はメイン武器とサブ武器の使い分け、オルターアタックや結晶化の発動など、操作を覚えるのに時間がかかったが、慣れるととてもスピーディーなバトルを体験できる。 何度も倒されながら敵の攻撃パターンを体で覚え、武器やギフトなどの種類を増やしてパワーアップを重ね、初めてボスを撃破できたときはかなりの達成感を味わえた。 マルチプレイのスピーディーバトルはハチャメチャ感がアップ。味方との役割分担がカギ 最大3人までのマルチプレイに対応している『Windblow』。今回はふたり協力プレイに挑戦してみたが、体力の瓶の使用時には効果が仲間にも及び、テレポートでは相手の近くに瞬時に移動できるなど、遊びやすい工夫がされていた。 仲間が倒されたときのシステムは特徴的で、ひとりが倒されると“サドンデス状態”となり、生き残ったほうの頭上に数字が表示される。敵を倒したりオブジェクトを破壊したりするたびに数字が減っていき、0になった時点で仲間が生き返るというものだった。 歯車、貝殻、メモライトの塵といったアイテムは全員に行きわたるが、武器に関しては誰かひとりのみの入手になるなど、本作のマルチプレイならではの仕様も。なお、交換所でアイテムを入手する際は、代価となる貝殻や体力を分担して支払うことが可能だ。 マルチプレイでは敵の体力が増えるなど難度が上がる。それでも武器やギフトでビルドの得意分野を分担できるなど、さまざまなメリットを感じられた。とくに戦闘においては役割分担がしやすく、条件付きの“チャレンジ”は格段に楽にクリアーできた。 ひとりでコツコツとゲームを進めていくのもローグライトらしくて筆者は好きだが、マルチプレイにはやっぱり別のおもしろさがある。全員がダッシュしながら高速でバトルするので、ハチャメチャ感がたまらない。先行体験版の探索では、最深部まで1回20~30分ほどかかるが、体感的にはあっという間に時間が過ぎていった。 本作は10月14日から10月21日まで開催される“Steam Next Fest”で、ひとりプレイ用のデモ版が無料でリリースされるので、まずはこちらをプレイして本作のスピーディーなバトルを体験してほしい。そして10月25日午前1時ごろからリリースされる早期アクセス版でマルチプレイを楽しもう。