石破氏提唱の“アジア版NATO”に海外から冷たい目 日米関係への悪影響、懸念も
明海大学の小谷哲男教授は、石破氏の論文を「暴論だ」と一蹴。「アメリカの核の傘は機能しないと言っており、その発言こそが抑止の信頼性を低下させる」と指摘。「今後、拡大抑止の認識についてアメリカ側とのすり合わせを強化する必要がある」と警鐘を鳴らす。 また東京大学の佐橋亮准教授は、「石破氏がこれまで広げたアイディアを、今後どうやって回収・撤収するのか問われる」と述べた。 防衛関係者からは「理想を振りかざす書生論でしかない」「戦略や道筋が見えず、日米や日中関係に悪影響を与えるだけ」との声もあがる一方、外交関係者からは「あくまで思想の表明で、現実の外交はこれからだろう」との声も聞かれる。 ロイター通信には「自民党内でトラブルメーカーとして知られる」と紹介された石破氏。首相となり向き合う“現実の外交”に、どう対処するのだろうか。 (国際部デスク・原聡子)