14カ月続いた銃声、ガザ停戦なるか…米国「慎重に楽観」
イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスとの間の停戦協定が最近急進展を見せ、数日中に妥結する可能性があるとの見通しが出ている。米国政府も「慎重に楽観する」としてこうした見方を強めている。 ロイター通信とワシントン・ポストは消息筋の話としてガザ地区で戦争中のイスラエルとハマスの停戦が「数日中に締結されるかもしれない」と伝えた。カタールメディアのアルアラビ・アルジャディードもこの日、ハマスが拘束しているイスラエル人の人質のうち高齢者や米国市民権者の名簿をエジプト情報当局に渡したと伝えた。 イスラエルとハマスは昨年10月からガザ地区で戦争を行っている。米国、カタール、エジプトなどが停戦に向け仲裁努力を広げたが最終合意には至らなかった。だが最近イスラエルとレバノンの武装勢力ヒズボラの間の臨時停戦を契機にガザ戦争の停戦が急流に乗った。 この日米ホワイトハウスと国務省でも相次いで停戦が迫っていることを示唆する発言が出てきた。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官はフォックスニュースとのインタビューで「われわれは疑う余地なく停戦に近付いていると信じるが楽観するには慎重だ。以前にも合意に近付きながらゴールラインを超えられなかったことがある」と話した。 国務省のミラー報道官もこの日の会見で、ガザ戦争の停戦交渉状況に関する質問を受け「現状に対しては『慎重な楽観』と表現するのが適切なようだ」と話した。続けて「米国ができることは妥協点を見いだそうと努力するだけで、選択を強要することはできない。選択は彼らが自ら下さなければならない」とした。 ロイター通信はまた別の消息筋の話として米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が18日にカタールの首都ドーハで同国のムハンマド首相と会い、イスラエルとハマスの最終的な溝を解決する問題について話し合う予定だと伝えた。メディアは「バイデン政権はバイデン大統領の退任までに停戦会談を進展させるためこの数日間集中的な努力を傾けている」と伝えた。 戦争当事者であるイスラエルとハマスも停戦妥結の可能性を思わせる発言が相次いで出ている。イスラエルのカッツ国防相は16日、「(停戦と人質交渉の)合意にいつになく近付いた」と話した。ハマスは17日に声明を通じ「イスラエルが停戦と関連して新たな条件を設定するのを中断するならばガザ地区で停戦と人質交渉が可能だろう」と明らかにした。 ガザ地区保健当局によると、14カ月以上続いたイスラエルとハマスの戦争によりガザ地区内のパレスチナ人4万5000人以上が死亡し、10万6962人が負傷した。戦争前に230万人水準だったガザ地区の人口の約2%が戦争で命を失ったことになる。