本当にうまいラーメン屋の「究極の塩ラーメン」…うまみ濃縮「鶏だしスープ」が絶品《野方・荻窪・北千住・千歳烏山・池尻大橋》の「ベスト3店」を大公開
都内にラーメン店は数知れず。その中から、醤油・塩・味噌・豚骨、それぞれのおいしい店を調査。「本当にうまい「醤油ラーメン」ベスト4…鶏だしスープ濃厚、チャーシューしっとり《大山・祐天寺・北綾瀬・木場》で覆面調査」に引き続き、新旧の三ツ星店を一挙にお届けします。五臓六腑にしみわたる一杯をどうぞご賞味あれ。 【写真】鶏の余韻でいっぱい…東京「究極の塩ラーメン」ベスト3店
野方「らぁめん ご恩」
スープをすすった瞬間に、ふくよかな鶏の風味が炸裂。圧倒的な旨みに一瞬で引き込まれてしまう。聞けば、スープの材料は国産鶏の手羽先と水のみ。「それだけで、どうやってこの"鶏感"を?」と驚かされるが、店主曰く「肉と骨、髄を豊富に含む手羽先は、鶏の旨みを最もストレートに引き出せる部位」だそう。 毎日仕込みで使う手羽先の量は、なんと400羽分。それも、髄が出やすいよう手作業でひとつずつ骨をカットし、濁らないよう丁寧に7時間煮出している。これだけ手間暇をかけて、作れるスープの量はたった60杯分だなんて。そりゃあ、旨みが濃縮されているわけだ。 タレは、まろやかな味わいの塩ダレ。日高昆布や干しエビのダシが忍ばせてあり、複層的な旨みや甘み、深みが、鶏のダシを見事に引き立てる。おかげで、帰り道まで口の中が鶏の余韻でいっぱい。その幸せたるや。
千歳烏山「らーめん 梶原」
「繊細にして複雑」、そんな言葉が似合うラーメンだ。軸は「名古屋コーチン」。そこに豚や香味野菜、多種多様な乾物を加え、旨みを重ねていく。それぞれが担当する階層の旨みをやさしく奏でるイメージ。塩ダレのダシは、ホタテや日高昆布などで構成。 さらに「海の魚だけだと、旨みが一辺倒になるから」とビターな風味のアユの焼き干しも使っている。油も、鶏油と牛脂、ラードをブレンドすることで深いコクを与える。とはいえ、難しく考えずに、旨みの波に身を任せてほしい。"塩漬けの実山椒をかじって、アクセントを楽しむ"までが「塩らーめん」のテンプレート。
池尻大橋「中華そば 千乃鶏」
鶏ベースのスープと極太麺の組み合わせに驚いたのは一瞬だった。食べてみれば、まろやかさとパンチ力を併せ持つスープが、太い麺をしっかりと包み込むではないか。豚骨&にんにくのがっつり系人気店『千里眼』の系列。 「より多くの方が食べやすい、鶏ベースのラーメンを作ろう」(稲葉拓也店長)と、2022年3月オープン。一番人気の「特製中華そば」には、チャーシュー、つるつるワンタン、濃厚な味玉の3トップが乗る。注目は「鰹昆布汁水つけ麺」。カツオ節と海苔、昆布の合わせダシに浸した麺を醤油または塩のつけ汁で食べる。さまざまな味が融合した、新たなおいしさをぜひ。 …つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。 『おとなの週末』2023年2月号より(本内容は発売当時のものです)
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