【岸和田競輪・GⅠ高松宮記念杯】北井佑季が待望のGⅠ初制覇!
ラインの絆と強い気持ちで、ついに悲願を達成した。3着だった2月の全日本選抜以来となる2度目のGⅠファイナルで、北井がチャンスをつかみ取った。 「取りたい取りたいと思って臨んだ宮杯だったし、自分の中で取れると信じていたのでうれしいです。準決勝は松井(宏佑)さん、決勝は郡司さんが前で頑張ってくれました。仲間の支えのおかげです」 2月の全日本選抜で北井の番手から頂点に立った郡司に初めて前を任せた決勝戦。郡司が前受けからグングン加速すると、「気持ちが背中から伝わってきたので応えたかった」と番手まくりでV。ゴール後に落車するアクシデントもあったが、仲間の手で3度宙に舞うと最高の笑顔を見せた。 元Jリーガー。ここまでの道のりは、決して順調ではなかった。「サッカーは現役が長くないし悔いなくやり切ったので、その情熱を競輪にすべてぶつけようと思って」。だが、競技が違えば当然トレーニング方法なども全く違う。高木隆弘(64期)に弟子入りし、練習漬けの日々を送った。その結果、仲間から「北井は人間じゃなくなった」と言われるほどパワーアップ。そしてこの日を迎えることができた。 「ピストに乗れなかったころから、1から教えてもらって今の人生がある。まずはひとつ期待に応えられたかなと思います」 これまでの日々を振り返り、涙ぐみながら師匠への感謝の言葉を口にした。 これで年末の『KEIRINグランプリ2024』(12月30日・静岡)の出場権を獲得した。 「これからも南関勢を引っ張っていけるように。(8月の)オールスターは(ホームバンクの)平塚だし、いい連係ができるように頑張ります」 今後はタイトルホルダーとして南関勢を、そして競輪界をもり立てていく構えだ。(仲野谷有紀) ■北井 佑季 (きたい・ゆうき)1990(平成2)年1月27日生まれ、34歳。神奈川県横浜市出身。Jリーグで9年間プレーした後、119期生として2021年5月に静岡でデビュー。GⅠ優勝は初。通算成績は295戦153勝、2着49回、3着26回。取得賞金は1億7540万2100円(16日現在)。169センチ、78キロ。血液型O。 ◆和田(2着)「GⅠ決勝の雰囲気は良かったです。北井さんが強すぎました」