阪神・中野V撃!七回のチャンス「内心、才木が何とか打って」それでも「自分が勝負」で見事に先制打
「阪神3-0西武」(9日、甲子園球場) 均衡を破る一撃で偉業達成への夢を膨らませた。阪神・中野が先制の2点適時三塁打で、好投の才木に呼応。虎党の歓喜を感じながらスライディングすると、間髪入れず右手をベンチへ掲げた。「自分が勝負、自分が決めなきゃいけないなというふうには思っていた」と殊勲打を誇った。 【写真】場内騒然!渡辺が頭部からカメラマン席に落下 途中交代し病院直行 援護点を奪えないまま迎えた七回だ。才木の3球三振を受けて、2死二、三塁で打席に入った。「内心を言えば、才木が何とか打ってくれないかな、という思いは正直あったんですけど」とジョーク交じりに振り返った場面。2-1のバッティングカウントから渡辺のスプリットを完璧に捉えた。 中堅方向へぐんぐんと伸びる打球。「才木の気持ちが乗り移ってくれたんじゃないかと思います」。風にも押されて奥村のはるか頭上を越えると、熱狂が甲子園を包み込んだ。2試合連続の先制打で連日のお立ち台。「初めてですね。まさか1回でも珍しいなというくらいですけど、2日連続で立てたことは良かった」と悦に浸った。 チーム成績に比例するように5月末は打撃が低迷し、19打席連続ノーヒットもあった。打撃練習では、新人時代からの打棒を知る嘉勢打撃投手の助言もあって原点回帰し、少し沈むようなフォームを意識。5日・楽天戦では全て右方向へ3安打固め打ちで、「これで逆方向に出たら、もっと良くなると思う」と復調を予告したが、その言葉通りに三回に左前への快打も放って、マルチ安打をマークした。 1日・ロッテ戦で今季初めて任された1番に、4日・楽天戦からは6試合連続で座っている。「自分が1番を打たせていただいてるので、チームに勢いを与えるのも自分の仕事。自分がチームを引っ張っていくという気持ちを持ちながらやっていきたい」。新たな“仕事場”も板についてきた。3タテで上昇気流に乗った猛虎を、リードオフマンとして加速させる。