「アニメ&まんが聖地 SUMMIT」開催。豊島区の高際区長が「豊島区におけるマンガ・アニメを活用した文化振興策」を講演
日本のアニメと漫画の施設が豊島区に一同に介する「アニメ&まんが聖地 SUMMIT」が11月8日、東京・池袋のとしま区民センター「多目的ホール」で行われた。 このSUMMITは日本のアニメや漫画のファンに向けてその地域の自然をはじめとした伝統・文化、食などの魅力を発信し、その上で各地域へ訪問する際の課題などを洗い出し、より楽しく、気軽に足を運んでもらえるためのツーリズムを模索しようというもの。 アニメツーリズム協会セミナーでは豊島区の高際みゆき区長が「豊島区におけるマンガ・アニメを活用した文化振興策」のテーマで講演した。 高際氏は「豊島区ではこれまでも文化を基軸としたまちづくりを意識して進めてきた。その中でも今、豊島区としてシティプロモーションに力を入れていこうと思っている。そのためには街自体がパワーを持って、そのパワーで国内外のたくさんの方々に来てもらおうと思っている。その目玉と考えているのが、マンガ・アニメにプラスしてコスプレ」と切り出し「マンガの聖地/アニメの原点 トキワ荘」と「マンガ・アニメを活用した取り組み」の2つについて語った。 トキワ荘マンガミュージアムについては解体から再建に至る経緯を説明。再建にあたっては地元の区民の熱気や力が大きかったことを明かし、そういったことから街全体で自発的な盛り上がりや熱を生み出していること、そしてミュージアムばかりではなく街中にモニュメントや壁画を作っていることなどを紹介し「ミュージアムという点ではなく、エリア一帯を面として、全体でトキワ荘の街を作っていこうというのがここのエリアの皆さん、そして区の一番の願いであり、そうした取り組みをしている」と説明。
「このトキワ荘のある通りはこの前までは南長崎通りという名称だったが、今年の6月にトキワ荘通りに変えた。地元の商店街から要望書をいただいた。通りなので全部の商店街が了解しないと変えられないが、7つの商店街がみんな判子をついて、6月に名称を変えた。そしてそのオープンのときもにぎわい、街の方々が標識も作られ、商店街がフラッグを作るなど一段と街を上げて盛り上げていこうという機運が高まっている」とここでも地元全体での盛り上げを紹介。 またミュージアムの向かい側には「トキワ荘マンガミュージアムサロン」が建てられているのだが「ミュージアムサロンはちょうどいいあんばいに、ミュージアムの真向かいに空き家があった。ミュージアムの周りには喫茶店やカフェなどがなく、来た人が語り合う場所がなかった。また縁のある先生たちはいろいろな地方に、その先生の美術館などがあったりするので、そういうところとも連携したいとずっと思っていた。なのでここの場所を活用して、1階はカフェにして、2階をファンの交流スペースにし、そこに各地のマンガ・アニメ関係の、特にトキワ荘と関連深いところの美術館、記念館の情報やそこの地域の情報を置くスペースにしている。ファン同士の交流はもちろん、全国のマンガ・アニメ施設との交流拠点にしたいと思っており、このアニメサミットと同じ趣旨ですが、ぜひ各地の皆さまとつながっていきたいなと思っている。記念館・美術館同士を行き交う人々を通して、ぜひ各地域とのつながりを持ち、そして全体でマンガ・アニメの輪を広げていきたいと思っている。トキワ荘については街全体で盛り上げる、それも面で盛り上げる。そしてミュージアムサロンを通じて地域とつながっていきたい。そんな形で取り組んでいる」などと語った。 トキワ荘以外のマンガ・アニメを活用した取り組みについては高際氏は「私は豊島区の文化による街作りにおいて強みと思っているのが2つある。一つは古いものと新しいものが両方あるということと、もう一つは行政だけではなく民間との強固な連携体制のもとでいろいろな取組を行っていること」と語り、アニメイトを始めとしたマンガやアニメに関連した地元企業の存在、そしてそこから派生したコスプレ文化についても言及。