「ブラバン遠征」に「修学旅行」学校をも襲う「物価高」子どもの・親の・先生の“苦悩” 北海道
この運送会社では2023年も子どもたちの楽器を山梨県の会場に届けましたが、値上げはやむを得ない状況だといいます。 (日栄運輸 佐藤貴美枝監査役)「当然燃料も違うし、去年と1リットルあたり10円くらい上がった。一番大きいのがドライバーにかかる人件費です」 人件費が1割ほどアップしたほか、フェリー代など主だった経費はすべて上がっているといいます。 (日栄運輸 佐藤貴美枝監査役)「すべてが連鎖する。何かだけが値上がりしているのではなくて、絶対的に少し変わっている」
物価高の影響に直面する小学生のブラスバンド。 子どもたち自身が楽器の手入れをするなど費用を抑える工夫はしていますが、ブラスバンドの活動に札幌市の補助がないのが現状です。 (指導者 三上充さん)「(大会の)開催にあたっての参加料などが価格転嫁で上がっているので、支払額は確かに昔より増えていると実感する」
修学旅行にも値上げの波…学校もあの手この手
札幌の中学校も物価高の波にさらされています。 その最たるものが、修学旅行です。 (札幌市立屯田中央中学校 吉本晋校長)「宿泊費・交通費が値上がりしていて、費用をできるだけ抑えられないかと苦労している。例年、学校の前からバスで送迎していたが、今年は各自が現地集合で間に合う時間だったので、バスを使うのをやめた」
2024年5月、3年生が2泊3日で秋田県へ行きました。 バス代を節約し、費用は2023年とほぼ同じ5万8200円。 学校ではほかにも費用の削減を図っています。
(札幌市立屯田中央中学校 吉本晋校長)「ことしは生徒手帳を廃止して、我々で身分証明書を作って発行したり、できる限り(家庭への負担を)抑えたいと、現場は悩むが、抑えることも限界がある…」 1冊およそ300円の生徒手帳を廃止し、家庭の負担を減らす努力をしています。
一方、修学旅行を受け入れる宿泊施設も苦悩しているといいます。 (全旅連 亀岡勇紀専務理事)「修学旅行は2年前に価格を契約するので、物価が上がっても値段を上げることは難しい状況。利益だけを考えると、修学旅行の受け入れを断った方がいいという声も全国から届いている」