使い終えた競走馬の蹄鉄、障害者の就労に活用 滋賀・栗東の支援施設
日本中央競馬会(JRA)のトレーニングセンターがある滋賀県栗東市。競走馬の使い終わった蹄鉄(ていてつ)を、障害者の就労に役立てている社会福祉法人がある。 【写真】千枚通しなどを使って蹄鉄の泥や石を取り除く施設利用者=2024年11月14日午後3時41分、滋賀県栗東市観音寺、仲程雄平撮影 トレーニングセンターから約3キロの山あいにあるパレット・ミル。1996年に自立就労センターを開所し、現在は、グループホームや多機能型事業所なども運営。4月1日時点で、知的障害などがある81人が就労している。 作業内容は、木製荷台の組み立てやコンテナケースの選別・組み立て、遊具の木材加工、発泡スチロールの再資源化に向けたものなど様々だ。ほかの施設と同様、最低賃金には届いていないが、利用者が自立できるように、最低賃金保障をめざしている。 利用者が携われる作業を増やしてきたパレット・ミル。「馬に関することがしたいと思っていた」と、常務理事の中山みち代さん(76)は話す。99年度から始めたのが、競走馬の使い終わった蹄鉄の活用だった。 蹄鉄は、馬の蹄(ひづめ)に装着して蹄を保護する道具だ。中山さんは知人から「何かの役に立てて下さい」と譲り受けて、活用法を考えた。欧州では古い蹄鉄がお守りとされてきたことを知り、それに倣うことにした。
朝日新聞社