山下美夢有が鉄壁ノーボギーで表彰台圏内 「メダルを日本に持って帰りたい」
◇パリ五輪 女子 3日目(9日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇6374yd(パー72) 【画像】ド迫力の監督と会長 後半10番、山下美夢有がティイングエリアで握った1Wがチャージをかける合図となった。レイアップした前日は左のペナルティエリアに落としていたホールだ。 「きのう、刻んだ距離のところが結構狭い位置だったなって思った。私の距離だと150(ヤード)前後残って、フォローの分だけセカンドも止まらなくなる。それだったら、刻むよりドライバーの方が精度も変わらないなって」。2日目を踏まえ、練り上げていたマネジメントを即座に修正。残り100ydほど、ウェッジを持てる距離まで飛ばして1mにピタリと絡めるバーディを奪った。 2mのバーディパットがカップに蹴られた直前9番(パー5)のモヤモヤを振り払う一打でもあった。14番(パー5)で3mのスライスラインが左を抜けた直後、15番でも7m近い距離を流し込むバーディ。16番(パー3)、17番はタフなロングパットを残しながら2パットのタップインパーで切り抜けた。
同組のセリーヌ・ブティエが地元フランスの大声援を受ける“完全アウェー”の空気にも「落ち着いてプレーできたというか、楽しく回れたかな」と笑える胆力は、苦しい時に力を発揮できる姿に通ずる。
最終18番(パー5)は3打目勝負できっちりバーディフィニッシュ。ブルック・ヘンダーソン(カナダ)と2人だけのノーボギー「68」で回り切り、首位と2打差の通算7アンダー3位に浮上した。
3年前の東京五輪で銀メダルを獲得した稲見萌寧に続き、日本勢として2大会連続の表彰台が懸かる最終日。「(稲見を)日本人としてすごいなと思って見ていた。私もこの舞台でプレーできて、いい位置で最終日を迎えることができる。やっぱりメダルっていうのは特別なものですし、日本に持って帰りたい気持ちがある。楽しみながら、思い切って全力を尽くしたい」。前週に銅メダルを獲得して日本を沸かせた松山英樹に負けない興奮を届ける。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)