【バスケ】8連勝も“笑顔なし”の琉球ゴールデンキングス 天皇杯で「失った信頼」回復へ、覚悟の再スタート
「傲慢さ」を捨て、再び“挑戦者“に
試合後の記者会見では、天皇杯絡みの話が大半を占めた。 特に桶谷HCの話は、大敗した要因や、琉球ゴールデンキングスというチームの在り方など話が多岐に及んだため、紹介したい。以下は、試合後のマイクで「信頼を失った」と話したことに関連し、「なぜそう感じたのか?」との問いに対する答えだ。少し長いが、プロスポーツチームに関わる人間としての覚悟が滲む内容である。 「ゲームを通して見せ場を全く作れなかった。自分たちはディフェンスのチームなのに、117点失点。自分たちに『今のままで勝てるんじゃないか』という傲慢さが少なからずあり、あの舞台で出てしまいました。エラーをカットしようと思って一つを止めても、エラーが雪崩のように出てきてしまった。(一番の問題は)それで諦めてしまっているようなバスケットを最後にしてしまったこと。ディフェンスに関しては特に。試合が終わった後は恥ずかしかったです」 沖縄から飛行機に乗ってさいたまスーパーアリーナに駆け付けた人など、多くのファンの事を想いながら続けた。 「遠い沖縄からわざわざ飛行機に乗って、宿泊代を払って見に来たお客さんがこんな試合を見たいわけがない。このゲームを見るために『いくら(お金が)かかっているんだろう』ということを思ったら、本当に反省とかそういうレベルじゃない。人として、もう1回自分たちがこの職業につかせてもらっているということを見つめ直さないといけない。だから、信頼を失ってしまったと思っています。信頼は本当に1回の試合、1回のミスで簡単に崩れると思うし、でも積み上げるのはそんなに簡単じゃない。でもレギュラーシーズンは残り17試合あって、僕たちは(回復する)チャンスが残っている。1試合1試合、今日ぐらいの強い気持ちで戦い続けたいです」 コメントの前半に出てきた「傲慢さ」という言葉。琉球は1月にアレックス・カークが帰化し、ヴィック・ローがより自身に適したスモールフォワードのポジションに入れるようになったことなどから連係が改善し、天皇杯決勝前まではBリーグで7連勝と好調を続けていた。その状態が傲慢さを生む要因だったのか。追加で聞いてみた。 「実際チームは天皇杯までいい状態できていたし、準備も手を抜いてやっていたというわけでもない。だからこそ、余計に自分たちが『勝てる』と思ってしまったところに一番の落とし穴があった。もっとチャレンジャーな気持ちで、もっと貪欲に、相手を叩きに行くくらいの気持ちがなかった。自分たちが“チャンピオンチーム”として取り組んでしまっていた感がありました」 「団結の力」を掲げ、「キングスは王者ではなく、常に挑戦者として戦います」と謳っている琉球。大一番での惨敗は、チームの原点を見つめ直す機会になったようだ。