能登半島地震の甚大な津波被害が明らかに 特徴的な海底地形など影響、東北大災害研が解析
今回の能登半島地震に伴う津波は沿岸部にあっという間に到達した。今村教授は「日本海の地震で今回のように津波を伴うケースはこれまで頻度が低かったが、今後も起こると考えた方がいい」と警鐘を鳴らす。そして「地形や海底地形の解析や海底地滑りによる津波想定も必要だ」と指摘。「今回の津波の被害や分析結果で得られた教訓をこれから津波対策に生かさなければならない」と強調している。
ただ、今回のように津波到達までの時間が短い場合の避難は容易ではない。南海トラフ巨大地震では想定震源から近い東海地域などは特に短時間で大津波が到達するとみられ、避難対策の再検討が必要だという。今村教授は喫緊の具体的対策として、沿岸地域に緊急の避難タワーや避難ビルを設置することや重要施設の高台移転などを挙げている。 (内城喜貴/科学ジャーナリスト)