食料安全保障は「気候正義」 COP28成果文章案
食料危機へ認識共有
アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は12日、最終日を迎え調整を続けた。採択を目指して公表された成果文書案によると、気候変動対策と農業・食料システム強化の両立を図るエミレーツ宣言に基づき、地球温暖化に伴う食料危機への認識が加盟国で共有され、食料安全保障を守る行動も「気候を守る正義の取り組み(気候正義)」として位置付けられた。 一方、成果文書に盛り込まれる予定だった化石燃料の「段階的廃止」は、産油国などの抵抗で削除され、欧州などが反発。激しい攻防が続いており、会期は延長される見通しだ。 文書案は、共有認識などを記した238項目で構成され、食料安全保障の重要性は冒頭に記された。持続可能な環境、地域社会、女性や子ども、障害者など「脆弱(ぜいじゃく)な状況」にある人々の権利を守る決意を明示。優先事項として「食料安全保障を守り、飢餓をなくす」ことを掲げ、これを含む地球温暖化に対処する全行動を「気候正義」と定義した。
日本農業新聞