【100年に一人の逸材・棚橋弘至登場】『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! <番外編後編>【コミックス派はネタバレ要注意!】
●新日本プロレス代表取締役社長・棚橋弘至の誕生 棚橋 2023年の11月に、オーナーに食事に誘われて。その席の最初に「社長をやってくれないか」っていう話があって。悩んで、即答はできないので、「ちょっと待ってください」って言ったんですけど。「プロレスラー100%、社長100%、できるかな。疲れないからできるな」という結論に達したので。その食事会の終わりに「やります」と言いました。 燃 その時は引退じゃなくて、プロレスラーも社長も100%で続ける気持ちだったんですか? 棚橋 いや、社長をやるってことで引退はもう決めていました。それまでの間を100%やるってことですね。「あと1年でどうですか?」って言われたんですけど、日本全国の応援してくれたファンのみなさんに、直接ありがとうを伝えたかったので。2年あれば、全国くまなく回れるだろうと思って。 爪 でも、引退を決意するのも、大変ですよね。 棚橋 実はコロナ禍の前に、一回燃え尽きたんですよ。新日本をグワーッとV字回復させて、後輩も育って。僕はもう産卵を終えた鮭のように、下流に流されていたんですね。 燃 それはヒザとか、身体の故障も大きかったですか? それとも気持ちの部分で? 棚橋 気持ちですね。モチベーションの部分で。なんですけど、みんなで力を合わせて盛り上げていったプロレスが、コロナウイルスという、自分たち以外の要因で下がったのがむちゃくちゃ悔しくて。「俺のキャリア、なんだったんだろうな」っていうくらい、自暴自棄になった時期もあったんですけど。でも、じゃあもう一回上げればいいじゃん、と思い直した矢先の、社長就任だったんです。だからW字回復だなと。レスラーでV字回復、次は社長でV字回復。仮面ライダーWなので(笑)。 爪 次は社長としてやりきりたいと。 棚橋 そうですね、やりきって終わりたいですね。今度のイッテンヨンの相手がEVILなので。EVILが僕の21年目の、まず最初に解決しないといけない案件ですね。 爪 ああ、はいはい。 棚橋 ほんとにファン離れが起きるんですよ、不透明決着とか乱入とかは。プロレス会場に来たら、スカッとして「楽しかったね」って帰りたいじゃないですか。でも応援する選手が不透明決着が続いたりすると、「もうプロレス観なくていいや」ってなってしまう。そういう声がXで飛んできたり、新日本宛に届いたり。そういう意見を言ってくれるような熱量の高いファンっていうのは、1割なんですよ。思ってても書き込んだりしない人が、もっといるんです。ということは、おそらく、黙って離れていく人はもっといる。 燃 うーん、そうですよね。 棚橋 それがいちばん悲しいじゃないですか。だからもう一回、イチから丁寧にやりたいなと思って。まずはドームでEVILをぶっ倒して。全身白のコスチュームに変えさせて、「お前はANGELとして出直せ」と(笑)。