最後までみせた勝利への執念、選手層の厚さ示す サッカーW杯最終予選オーストラリア戦 チェックEYE 清雲栄純氏
15日に行われたサッカーの2026年ワールドカップ（W杯）アジア最終予選C組第4戦で、日本はオーストラリアと1―1で引き分けた。 日本は今回のW杯アジア最終予選で初めてリードを許しても、気落ちすることなく最後まで勝利への執念をみせた。日本撃破で序盤のつまずきから巻き返そうと逃げ切りに徹したオーストラリアに追いつき、最低限の勝ち点1をもぎ取ったのは評価できる。 日本は両サイドを崩して多くの好機を作りながら1得点にとどまった。フィニッシュの精度を欠いたのは反省点だ。しかし、強靭なフィジカルを誇るオーストラリアが、人数をかけて守るゴールをこじ開けるのは難しい。追いついたのはポジティブにとらえていい。 気になったのは、久保（レアル・ソシエダード）と堂安（フライブルク）のポジショニングだ。基本の立ち位置が中央付近の久保が、右サイドに流れがちだったのは問題ない。ただ、そもそもの立ち位置が右サイドの堂安との距離が近すぎた感はある。相手守備が2人を同一視野に入れにくいポジションバランスを模索してほしい。 4試合を終えて3勝1分けと無敗を維持し、最終予選の主導権は握っている。主力の遠藤（リバプール）不在を田中（リーズ）が埋め、追いつく立役者となったのは途中出場の中村（スタッド・ランス）。改めて選手層の厚さを示す試合でもあった。（元日本代表コーチ）
