全国朝市サミット、暗闇に行列 館鼻岸壁（青森・八戸市） 輪島関係者も参加「灯消さない」
青森県八戸市で開かれている「全国朝市サミット2024in八戸」は最終日の20日、同市の館鼻岸壁朝市の会場で、全国9朝市の特産品を販売する「全国朝市物産展」が行われ、多くの来場者でにぎわった。1月の能登半島地震の火災で焼け落ちた輪島朝市（石川県輪島市）の関係者も自慢の品物を販売、再建の足がかりにしようと期待を込めた。 物産展は午前5時半の開始予定だったが、行列ができたため同5時9分に始めた。「いらっしゃい」「今日を待ってたよ」－。暗闇の中、出店者と来場者の声が会場に響いた。三崎朝市（神奈川県三浦市）のマグロ赤身・中トロのサクセットなどが人気を集めた。この日の館鼻岸壁朝市の来場者数は平常時の倍近くとなった。 物産展では、千葉学園高校の専攻科含む生徒24人が販売を手伝った。牛深まるごと朝市（熊本県天草市）のテントに入った2年・小野口和奏さん（17）は「年に数回来ている館鼻朝市の魅力を多くの人に知ってほしくて参加した。焼きかまぼこなどはすぐ売れた」と笑顔を見せた。 輪島朝市コーナーは、塩やTシャツがすぐなくなり、漆工芸品や干物も飛ぶように売れた。19日に輪島市朝市組合に義援金30万円を手渡した盛岡神子田朝市（盛岡市）の吉田晃組合長は「輪島のメンバーが参加してくれたのが一番うれしい」と語った。 輪島市朝市組合の冨水（とみず）長毅組合長は「応援の意味も込め買い求めていただき、ありがたい。参加するか迷ったが、義援金や物資、電話や手紙を下さった全国の皆さんへのお礼を兼ねて来た。心温まる励ましをいただき、あらためて今後も頑張りたい。復興には何年もかかると思うが、朝市の灯を消さないよう努めたい」と話した。
