経営破綻は乗っ取りか 「テレビデオ」の会社が脱毛サロン買収 わずか3年で現金流出300億 背景に不可解な”カネと人事”
船井電機は、去年には大手脱毛サロン会社の買収に乗り出しました。 (新田さん)「船井電気というテレビを作っている会社が脱毛の会社を子会社化、買収することに疑問を感じます。買収資金などが流出していき、いつの間にか船井電機の資産・資金が枯渇していった」 この脱毛サロン会社は経営が苦しかったとみられ、広告会社に22億円の未払いがあったほか、信用組合から33億円の貸し付けも受けていました。これらを船井電機または持ち株会社の船井電機ホールディングスが保証していました。
役員人事にも謎があります。 ことし5月、船井電機とは無縁の素性の分からない役員4人が突然就任しました。 しかし、9月には上田社長とともに辞任。登記に名前は残ったままでした。 新田さんは、こうした不透明な人事を許してしまった背景には、船井電機が非上場の企業となり、株主の目が届かない状況になってしまったことがあるとみています。 3年間で流出した資金は約300億円に上るとされ、帝国データバンクによると、最終的な負債総額は470億円に膨れ上がっていました。 そして、船井電機は経営破綻し従業員を一斉解雇しました。 60年以上の歴史を持つ老舗メーカーの予期せぬ形での終焉でした。
新田さんは、船井電機のここ3年半の動きについて「M&Aを利用した乗っ取り」ではないかと疑問を呈します。 推定の話と前置きをしたうえで、船井電機くらいの規模の企業が突然終結を迎えてしまうのは不自然で、それだけ不可解なことが次々と起こっていたと総括しました。 (新田さん)「一番の被害者は従業員の方じゃないかなと思います。おそらく2021年に船井電機を出版社、コンサルタント業の前代表者(上田智一氏)が買収しなければ、もっと違う形の船井電機の未来があったのかなと思います。私もFUNAI製のテレビデオを知っている世代の人間ですから、なくなるというのは残念なことです」