9000人リストラにまさかの下方修正 そもそもこれまでの歴史を軽んじすぎでは? 純利益約93%減って……頼む、復活してくれよ日産!!
日産の決算発表がとてもじゃないが厳しい数字になってしまった。9000人のリストラ、そして営業利益予想はまさかの1500億円下方修正。また日産に危機が来てしまった。一体なぜこんなことになってしまったのよ。 【画像ギャラリー】俺らの憧れの日産は消えゆくのか?ムラーノもキックスもどうにかして!!(13枚) 文:ベストカーWeb編集部/写真:日産
■アメリカでのハイブリッド需要の増加
日産は2024年度の上期決算発表を行った。前回見通しと比較して売上高は14兆円から12兆7000億円に、営業利益は5000億円から1500億円に下方修正した。 前回の為替レート想定は1ドル155円だったが、今回で149円に修正。複雑な事情が絡んでいるにせよそもそもの想定がかなり甘かったように思える。 対策として日産は9000人のリストラ、グローバル生産能力20%削減など痛みを伴う施策を実施する。いったいなぜこうなってしまったのだろうか……。 大きな争点はアメリカでの電動化の遅れにある。日産は元来からBEV戦略を進めてきたが、アメリカなどグローバル市場でも乗用車としてはリーフ、アリアという2枚看板のみ。 日本市場こそ軽自動車のBEVサクラがスマッシュヒットを記録したが、アメリカではe-POWERなど電動化モデルの投入はかなり遅れており、先日発表になった新型ムラーノ、そしてキックスにもガソリンエンジンしか投入していない。 これは完全に経営陣の失策でしかなく、EVをリードしてきたメーカーとして熟成してきた技術もまったくもって生かされていない。
■まったくやる気がないとも思えた日本市場
すっかり影が薄くなってしまったが日本市場はセレナ、ノートの2本柱。かつて存在した非e-POWERのハイブリッドモデルもスカイラインを最後に途絶えたし、フーガなどのFRモデルで終焉を迎えてしまった。 日本で大切なミニバン市場では、代替わりするたびに売れ行きを伸ばすアルファード/ヴェルファイアに対し、2010年から同一型式のエルグランド。いまだに3.5LのV6エンジンが上級車種で、走りはいいけれど流石に一般層にはハイブリッドがないだけで微妙な存在に。 セダンもシルフィ、フーガ、シーマ、ティアナ、ラティオ、プレジデントなどを廃止。現在はスカイラインのみ。流行りのSUVもキックスとエクストレイル、そしてBEVのアリアのみ。 車種を絞るのは生存戦略として有効だったはず。しかし残存車種に大きなテコ入れをせず、なんとなしにダラダラと生き残らせているのが消費者に見えてしまった。 そんな状況でいったい国内市場はどうすればいいのか、というのは販売会社への取材から聞こえてくる声だ。せっかく育ててきたブランドをあっという間に潰してしまったその決断は、果たして正しかったのだろうか? 「最近の日産は愛がない」とクルマ好きは口をそろえる。ちょっと古い話だがCMで180SXとリーフを競争させたり、ちょっとしたところに自社ブランドへの愛を感じないのはたしかだ。