9000人リストラにまさかの下方修正 そもそもこれまでの歴史を軽んじすぎでは? 純利益約93%減って……頼む、復活してくれよ日産!!
■一番の被害者は日産のエンジニアたちだ
振り返れば日産はこのような非常に危なっかしい橋を過去にも渡ってきた。1990年代にひとりよがりの官僚的な経営方針で鳴かず飛ばずの車種が増えた。そして挙げ句の果てにルノーに救われるという屈辱を味わっている。 しかしそこからカルロス・ゴーンの手腕もありV字回復を果たすが、またしてもここまでの危機が訪れてしまった。ここまでくると一番の被害者は日産のエンジニアたちだろう。 もちろん販売会社なども大きな痛手を被っているのだが、それでもエンジニアたちの苦悩は大変なものだと思う。 日産のエンジニアは非常に優秀だ。最近でいえばVCエンジンもそうだが、e-POWERや4WDの制御などそのエンジニアリングは他社の追従を許さない。もちろんフルハイブリッドだって問題なく実用化してきた。 ありきたりな材料を生かして素晴らしいレシピを作っても、それを高級な料理に仕立てる機会がなくなっている。日産はそんな状況に陥ってしまった。 懸念されている北米市場へのe-POWERなど電動モデル投入は2026年と報じられている。現状を見れば遅すぎるのだが、いかに行き当たりばったりな経営をしてきたかは一目瞭然だ。 ストロングハイブリッドの開発もどこかでたち消え、懐刀のBEV開発もかなり鈍足。開発現場は準備ができているのに、GOサインが出るのが遅すぎたのだろう。 「電気自動車のパイオニア」を標榜する日産が、電動化の潮流に乗れなかったのは大きな皮肉になってしまった今回の決算発表。技術の日産、みんなが憧れた日産は復活するのだろうか?