RED BULL AIR RACE 千葉の空を制したイギリス紳士
千葉・幕張の空でイギリスのポール・ボノム選手が勝利を手にした。2015年、日本で初開催となった「レッドブル エアレース」。決勝戦となるファイナル4では、51.502秒でレーストラックを駆け抜け、ほか3選手を下した。アブダビ大会に続いて2連覇と、今シーズン負けなしを誇るが、「これまでやってきたことのとおり、同じように続けていく」と冷静だ。
映画『007 スカイフォール』に出演した英俳優ダニエル・クレイグを彷彿とさせるイギリスの紳士。1964年生まれの50歳。航空会社「ブリティッシュ・エアウェイズ(英国航空)」が有するボーイング747のパイロットでもある。 通算出場レース数は57回と今季出場したペーター・ベネゼイ選手に並ぶベテラン。2014年の年間総合順位は3位だったが、2009年と2010年と二度の年間総合優勝を手にしている。「60レース目という経験を千葉でできたことを嬉しく思う」と話す。
選手8人が1対1でタイムを競う「ラウンド・オブ8」では、室屋義秀選手と対戦。対戦前のパドックで室屋選手について「ミスのない選手」と評していたが、「(常にレーストラックがある)地上のモータースポーツとは違い、日本でも初開催とあって『誰も飛んだことがない空』」とし、誰もが同じ条件なのだと話していた。その一方で、6万人もの観客が見守る千葉の会場で、室屋選手は「ファンの多くの声援に耐えられるだろうか? 普通の精神ではスルーできないんだ」と気を配る一面も。 機体はEDGE 540 V2、ユニオンジャックを模したデザイン。5月30、31日にクロアチア・ロヴィニで開かれる第3戦に挑む。どう戦うかと聞かれ、「今回の優勝を忘れ、初心にかえること。気を引き締めていきたい」。