ブローザホーン秋最大目標は有馬記念、来年は海外挑戦も視野 岡田牧雄オーナー単独インタビュー
日本のグランプリホースから世界へ－。今春の宝塚記念でG1初制覇を果たしたブローザホーン（牡5、吉岡）が、6日の京都大賞典から始動する。今秋は国内3戦を予定。結果次第で来年は海外挑戦も視野に入る。その思いを、岡田牧雄オーナー（72）に大阪・奥田隼人記者が単独インタビューで聞いた。 【写真】宝塚記念を制したブローザホーン ◇ ◇ ◇ 今夏で岡田牧雄オーナーのもとを訪れるのは3年連続。過去2年はタイトルホルダーについて。今年は春のグランプリホース、ブローザホーンについて話を聞いた。 岡田氏 いつもは札幌から全場の競馬を見ているから現地にはめったに行かないけど、宝塚記念は機会があって行くことになって。普段はレースで声なんて出さないけど、一番にオレが声を出したって。無意識でそこは全然覚えていないけど、本当にうれしかったね。 2歳11月のデビューから初勝利は9戦目の3歳6月。そこからは驚異の成長力で、2年後にはG1馬にまで登りつめた。 岡田氏 お母さんのオートクレールもオープン入りしたのが6歳秋。相当の奥手なんです。普通は勝ち上がっていく中でうちの牧場に戻し、夜間放牧で成長を促すことはあまりしないけど、ブローザホーンは相当期待していたからそれもやって。お父さんがエピファネイアというのもあったし、絶対に3歳より4歳、4歳より5歳という感じで走るという自負はあったね。 宝塚記念時で428キロと決して恵まれた体格ではないが、良質な筋肉が小さな体での活躍を支えている。 岡田氏 体は大きくないけど、筋肉がいい。背中が強くてね。牧場で坂路を上がる時も筋肉の収縮がすごかった。細やかな筋肉と言うのかな。いくらトモが大きくてバーンと蹴っても、背中が強くないと力が抜けてしまって前進運動につながらないからね。あとはツメが小さくて、メロディーレーンと変わらないくらい。ツメが小さいと雨の馬場でも滑らないんだよね。 G1馬となって迎える今秋は国内3戦を予定する。 岡田氏 3戦を予定しているけど、一番の目標は有馬記念。去年も除外で使えなかったけど、中野先生が使いたいと言ってくれていたし、絶対に合うと思う。そこまでに適性があるのは京都大賞典とジャパンCだと思っているけど、有馬に向けてなら使うレースを変えても構わないと吉岡先生には伝えている。あと、みんなは前走は道悪が勝因だと言うけど、それに反発もあるんです（笑い）。天皇賞・春も後ろの位置から追い込んできたのはこの馬だけ。前走もあの馬場で、上がり（34秒0）はこの馬自身の過去最速なんです。だから、パンパンの馬場ならもっと速い脚が使えるはず。 世間では前走の道悪巧者ぶりに、凱旋門賞への期待も大きく集まった。今年の結果次第では、来年は海外挑戦も視野に入る。 岡田氏 皆さんがそう言ってくれるのなら、という思いはある。ファンに喜んでもらうのが一番だからね。馬もみんなに応援されてレースを走っている時が一番幸せだと思うから、まだまだ引退時期も決めていないし、もっと走ってもらいたい。とにかく、この秋の走りは楽しみですよ。（ニッカンスポーツ・コム／競馬コラム「ケイバ・ラプソディー～楽しい競馬～」）
