『ライオンの隠れ家』は今期イチの“考察ドラマ”に 謎の人物“X”は敵か、味方か?
X(岡山天音)と美央(齋藤飛鳥)の関係性とは?
●謎の人物・X(岡山天音)は敵か? 味方か? 鍵を握るのが洸人たちの行動を常に監視している「X」の存在だ。普通に考えると、愛生の協力者で、友人、山梨の児童養護施設の人や愛生が働く店の常連客、愛生の不倫相手、もしくは実の弟。もし失踪事件が偽装だとしたら祥吾の刺客、または祥吾に弟がいて見兼ねて愛生に協力をしているなどいろいろと考えられる。ただ、Xの部屋の引き出しに大量のスマホがあったので、その道の虐待されている子を助けるプロか、専門の誘拐犯(逃がし屋)の可能性は高く、愛生はプロのXに相談をしていた、もしくはXの方から話かけた。愁人が通っていた保育園の職員から聞いた「若い男と不倫しており、それで子供と連れて家を出て行ったらしい」という噂は、祥吾が自分を悪く思わせないデマでないのなら、若い男はXで、前から計画されていたものと考えられる。 ただそこまでのプロが、洸人の後輩・牧村美央(齋藤飛鳥)と接触した後、本来なら自分がやるべき監視を美央に託している。おそらく、あれだけのスマホがあるということは、愁人のような案件を他にも抱えていると考えるが、ではなぜ、重要任務を美央に託すことができたのか。また美央はXをすぐ信用して引き受けたのか。当初から気になっていたのは、初登場のXの全身白コーデはどう考えても悪目立ちしていて普通ではない。考えられるのは宗教施設の人か、それに近い非営利な児童保護団体。だったら仲間が他にいてもおかしくないが、やはりその中でもアウトロー的な単独の請負人なのか。美央は元保育士という経歴で、回想シーンで虐待された子を救えず涙しているシーンがあった。もともと美央はXの存在や組織を知っていた、もしくは自身が世話になっていたのならお互いすぐに話が通じるだろう。 また、極端な予想として、もしリニア絡みが関わっているのならば、Xは愁人を誘拐してたちばな建設と取引をしようとしていたが、状況が変わった、もしくは現在進行形でこれから交渉しようとしている線も。いざとなれば、愁人のことを警察に届けていない洸人は誘拐犯と疑われ捕まり、責任をなすりつけることもできる。 ただ不思議なのが、第2話で洸人と待ち合わせした場所が洸人と愛生の思い出の地という点だ。ただでさえ洸人にとって愛生は記憶に薄い存在であり、おそらく20年以上前に最後に別れた港の場所なんていう情報は相当親密な関係でないと知らないし、もしくは愛生が直接メッセージを送らない限りは分からない。もはやXは顔を変えた愛生ではないのかと思うほどだが、さすがに失踪してから顔を変える期間が短か過ぎるのでそれはないだろう。それを思うと、やはり愛生の味方だとは思うし、愛生はまだ生きていそうだ。 今作は「家族愛や兄弟愛の変化を描く愛と絆の物語」という謳い文句なだけに、身内はそこまで悪い人物として描かない気がするが、果たしてどうなるのか。そして遺体は本当に愛生なのか?
本 手