歴代最強のSL、「メルセデスAMG SL 63 S Eパフォーマンス」誕生
メルセデス伝統のオープンスポーツカー
2023年12月12日(現地時間)、メルセデス・ベンツはドイツ本国でメルセデスAMGブランドのオープンスポーツカー「メルセデスAMG SL」の歴代最強モデル「SL63 S Eパフォーマンス」を発表した。V型8気筒DOHCツインターボにモーターを組み合わせたパワーユニットは、実にシステム最高出力600kW(816ps)、システム最大トルク1080-1420Nmを実現。0→100km/h加速2.9秒、最高速は317km/hを誇る。日本にも導入されると思われるが、詳細はまだ発表されていない。 【写真はこちら】PHEVシステム全体では816PSのパワーと1080-1420Nmのトルクを実現(全6枚) 「SL」は、1954年に初代が誕生して以来、オープンスポーツカーの最高峰に位置づけられてきた伝説のモデル。初代は1952年にル・マン24時間耐久を制した「300SL」として登場、SL(Sport Leicht=軽量スポーツカー」の名前が示すとおり、軽量でスポーティなスポーツカーとして進化してきた。 現行型は日本で2022年10月に登場した7代目で、ハイパフォーマンスカーを扱うメルセデスAMGが開発を担当したことから「メルセデスAMG SL」と呼ばれることになった。量産車で世界初採用の電動排気ターボ搭載の2L直4エンジンに9速ATを組み合わせ、足まわりには新開発のAMGライドコントロールサスペンションを装備。ソフトトップルーフを採用したこと、4代目以来となる2+2レイアウトを採用していることも話題となった。 また、直4ターボエンジンを搭載の「SL 43」で登場した後、2023年4月には4L V8ツインターボ搭載の「SL 63 4マティック+」を追加設定している。
AMGが独自開発したプラグインハイブリッドシステムを搭載
今回ドイツ本国で発表された「SL63 S Eパフォーマンス」は、4L V8ツインターボエンジンに高性能プラグインハイブリッド(PHEV)システムを組み合わせたハイパフォーマンスモデル。4L V8ツインターボは最高出力612ps/5750~6500rpm、最大トルク850Nm/2500~4500rpmを発揮、ここに電気モーターが最高出力204ps、最大トルク32.6kgmを上乗せして、PHEVシステム全体では816PSのパワーと11080-1420Nmのトルクを実現した。 リアアクスルにマウントされたモーターは電動シフト式2速変速機と電子制御リミテッドスリップデフに統合され、9速ATの「AMGスピードシフト MCT 9G」トランスミッションを介さず、後輪に直接パワーを伝える。 駆動方式はパフォーマンス志向のAMG連続トルク可変配分式4WDシステム「4マティック+」で、後輪のスリップを検知すると電気モーターの駆動力を前輪に伝達する制御も行う。また、一体設計された電子制御のリアLSDは、走行状況に応じて左右の後輪に最適なトルクを配分する。 メルセデスAMGが開発したAMGハイパフォーマンスバッテリーは、6.1kWhの蓄電容量を持ち、連続して70kWの高いパワーを引き出すことができる(ピークパワーは150kW)。このバッテリーは航続距離よりもいかに素早く電力を供給できるかが重視されているのが特徴だ。