介護の人手不足でサービスが受けられない? 厳しい実態知って対策を 100歳時代の歩き方 イマサラQ&A
Q 介護職の中で国家資格はありますか A 1回目の話で触れた介護福祉士が、介護職の資格の中では唯一の国家資格です Q どうすれば資格を取得できますか A いくつかルートがありますが、ほとんどの人は、3年以上の実務経験を経て介護福祉士実務者研修を修了する-というルートで国家試験の受験資格を得ます。最近の合格率は80%を超えています Q どのような仕事ですか A 1回目でお話ししたように、介護現場で食事や入浴の介助や日常生活のサポートを行います。ホームヘルパー(訪問介護員)には介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、介護福祉士といった資格が必要で、なかでも介護福祉士は職場で責任のある立場に就く機会が増えます Q 介護福祉士になると待遇は変わりますか A 介護福祉士が多い施設は加算されるので、自身の賃金にも反映される場合があります Q 介護福祉士をはじめ介護職は人手不足と言われていますね A 厚生労働省の推計では、令和22年度で介護職は約57万人不足するとされています。介護の仕事は大変なのに賃金が低いのが大きな要因です。介護職が足りないということは、将来、私たちが十分な介護サービスを受けられないということです。国はいろいろな対策を講じていますが、あらゆる方向から処遇改善や離職防止を進める必要があります Q 大切な仕事です。なくなっては困ります A 多くの介護の現場は思いのある人に支えられています。でも、現場の思いに甘えていては続きません。私は地域包括支援センターなど介護現場で長年働き、実情をつぶさに見て、安心できる現場にしたくて社会保険労務士になりました。安心できる老後のためにも、介護職の実態を知っていただきたいです。 (回答者 社会保険労務士 山本武尊(たける))