井上尚弥とのWBSS決勝に向けドネア父が注目発言「先にパンチを当てた方が勝つ。井上は耐久性を問われる」
もちろん対左フック対策は、ドネア攻略の基本。 井上も「注意するのは左フック。距離が重要になってくる。でもキャリア、実力でノニトは今の地位を保っている。一番怖いのは、そのキャリア。左は距離さえ間違えなければ、まずもらうことはないけれど、どの選手も、そういう対策をしながら倒されている。何かがそこにあるんです」と警戒を強めている。 以前からドネアとは交流があり、複数回、直接、指導を受け、そのボクシングを肌感覚で知っている。だからこそ、左フックのマジックに要警戒なのである。 ドネア父は、息子の専属トレーナーという立場にはなく、今回の井上戦に向けてのトレーニングや、試合のセコンドにつくかも決まっていない。 「まだ何も決まっていない。もしかするとサンフランシスコのキャンプに合流するかもしれないが」と、ドネア父。それでも陣営が井上との対戦に対して抱いている戦略の大枠のようなものは明らかになった。 英国グラスゴーの準決勝をリングサイドで見守ったドネアは、「井上はやるべきことをやり遂げた。待たないで自分から仕掛けて、ファンが期待していた通りの結果にした。彼はモンスター。対策はこれから考えますよ。凄いファイター。知性派でもある。21歳に戻った感じで頑張りますよ」と語っていた。井上の勢いはキャリアで誤魔化して空回りさせるようなレベルにないことを理解している。 やるか、やられるか。ドネア父の注目発言は、この試合の決め手を如実に表している。ファンが待ち遠しい決勝戦の場所も日程もまだ明らかになっていない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)