純烈・酒井一圭が語る「戦隊シリーズ」オーディション秘話 「2年連続、最終で落選」からのガオレンジャー出演
2024年11月25日に日本武道館公演を控えた純烈のリーダー兼プロデューサーの酒井一圭さんは、子役時代シリーズ最終作『逆転あばれはっちゃく』に主演し、のちに『百獣戦隊ガオレンジャー』に出演したキャリアがある。今回は、特撮ファンなら誰もが知りたい、『スーパー戦隊シリーズ』のオーディションの内幕について詳細に語ってくれた。(第2回/全3回) ■【画像】黒髪の硬派イケメン!純烈・酒井一圭の戦隊ヒーロー時代■
戦隊メンバーはいかにして選ばれるのか?
──酒井さんは、ガオブラック/牛込草太郎役で『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)に出演されています。ですが、それ以前にも『星獣戦隊ギンガマン』(1998年)、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999年)のオーディションを受けていたとか。 酒井 そうなんです。ただ当時は、弱小事務所所属の俳優が世の中に出られる唯一の枠が『スーパー戦隊シリーズ』やったんですよ。あ、今は違いますよ。うちの白川裕二郎が出た『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)以降は大手が参入してきましたから。 ──『スーパー戦隊シリーズ』のオーディションというのはどのようなシステムなのですか? 先に役が決まっていて、その役にハマる俳優を選ぶシステムなのか、それとも、合格した俳優にあわせて役を作っていくのでしょうか? 酒井 基本的には、今回は、『◎◎戦隊■■ジャー』です。コンセプトは乗り物です、恐竜です、忍者です……といったことは、最初に決まっています。商標登録も事前に進んでいるので、オタクの方々は特許庁の商標登録が済んだ瞬間にタイトルを知る(笑)。 『ガオレンジャー』のときも、動物というコンセプトや、メンバーの色などは全部決まっていると言われましたが、演じる人間とスタッフとのコミュニケーションがあって、それを作品に生かすようなフレキシブルさはありました。
酒井さんが語る、スーパー戦隊オーディションの進み方
──具体的にオーディションはどのように進むのですか? 酒井 最初に書類審査があって、それをパスすると銀座にある東映本社に呼ばれます。『ギンガマン』のときは、会場には黒いタンクトップ、黒い革パンを着たヤツばっかり。みんな吉田栄作や加勢大周みたいなタイプでした(笑)。それで、ポーズをやったり、セリフを言ったりの審査が4~5回あります。それをパスすると、最終決戦として舞台は大泉の東映撮影所になる。そこには赤担当っぽい人、青担当っぽい人、黄色担当っぽい人、ピンク担当っぽい人がそれぞれ5名ずつぐらい集っていて、第1話を担当する監督など現場のスタッフやプロデューサーが待っています。 ──なんとなくカラーを決めて、絞り込んでいくのですね。 酒井 そうなんですよ。ただ、全員の並びのバランスが重要で、たとえば、「う~ん、田中君は真ん中に来て。酒井君はその隣で。鈴木さんは右端で」といった感じで、戦隊っぽく配置されるんです。真ん中に立たされたときもあって、「ということは俺、レッド? マジか!」と思っていたら、「ハイ、ありがとうございました」と退場させられるパターンもありました。かと思えば、「ちょっと酒井君、残っといて」となって、「え、俺は残して、ほかの人との並びのバランスを見るの?」ってドキドキしたりして。 ──5人が並んだときの見え方をいろいろと試すんですね。 酒井 でもね、『ギンガマン』のときは、首脳陣が悩みすぎて保留になったんですよ。「いったん、帰ってください」と。それで、仲良くなったヤツらと3人で西武池袋線に乗って一緒に帰ったんです。池袋駅で「誰か受かるけど、誰か落ちるよな。でも、恨みっこナシやな。また会えたらええな」って別れました。そしたらね、俺以外の2人が受かってそれがギンガレッドの前原一輝(2003年に引退)と、ギンガブルーの照英ですわ。 ──それはショックですね。そのショックを乗り越えて、翌年の『ゴーゴーファイブ』のオーディションに挑んだと。 酒井 それがまたタンクトップ野郎ばかりで(笑)。そのなかでの勝ち上がり方というのはわかっていたので、最終決戦まではいけたんです。最終となるとやっぱり全体のバランスを見るんです。『ゴーゴーファイブ』って、メンバーが5人兄妹という設定なので「自分は背が高いのでブルーかな」と考えたりして。ただね、『ギンガマン』のときは受かりそうな感じがビンビンに来ていたんですが、『ゴーゴーファイブ』のときは、審査員の視線をあまり感じなくて……。「俺以外のヤツを見てる。こりゃあかんな」と察しました。