サムスン電子の目標株価、相次ぎ下落…「第5世代メモリーの不確実性」=韓国
「短期的には上昇困難」
証券会社各社は、サムスン電子の第5世代高帯域幅メモリー(HBM3E)の納入を巡る不確実性を理由に、相次いで目標株価を下げた。証券会社らは短期的に株価が上がることは難しいとの見通しを示した。 1日、韓国投資証券はサムスン電子の目標株価を従来の9万6000ウォンから8万3000ウォンに引き下げ、会社がHBMの第5世代改善製品を追加で準備すると言及したことについて、「内部での認証と新規サンプルに対する顧客企業の認証が必要なため、量産スケジュールが遅れ、販売計画が修正されるだろう」とし、「メモリーでHBMの販売拡張がライバル企業より遅れ、ファウンドリーの需要の回復時点が予想より遅くなり、当分は実績に期待を持つことは難しいと判断する」と明らかにした。 多くの韓国内の証券会社がこのようにサムスン電子に対する「買い」意見は据え置きながらも目標株価を下げた。共通した理由としては、主要顧客であるNVIDIA(エヌビディア)に対するHBM3E納品に関して「不確実性」が依然としてあるという点を挙げた。 ハンファ投資証券は、目標株価を従来の9万5000ウォンから9万ウォンに下げ、「営業利益の逆成長の主な原因は半導体(DS)部門での一回性の費用反映のため」としながらも、これを除いても「残念な実績」だと述べた。さらに「来年のメモリーの業況は、需要の成長が鈍化する一方で供給の成長が今年より拡大するため、鈍化区間に入ると予想する。汎用メモリーの価格上昇モメンタムが顕著に鈍化すると予想されるため、HBM市場でライバル企業との格差を縮めることが重要だと判断する」と補足した。続けて「12段積層製品やHBM4など次世代製品で、ライバル企業との市場進入時点においてまだかなりの格差があるため、楽観的に判断するには早い」とし、さらに下落するリスクについては制限的だとしながらも、短期間内の上昇は難しいと話した。 31日、サムスン電子の発表によれば、今年第3四半期(7~9月)の売上は79兆ウォン(約8.7兆円)で、直前四半期に比べ6.8%増えたが、営業利益は9兆2000億ウォン(約1兆円)で市場予想値(10兆8000億ウォン)を下回った。特に半導体部門は売上29兆2700億ウォン、営業利益3兆8600億ウォンを記録したが、売上は直前四半期より2.5%増えたものの、営業利益は40.2%急減した。 新韓投資証券も目標株価を9万5000ウォンから9万ウォンに下方修正した。「HBM3Eの8段テスト通過のニュースは肯定的だが、12段の供給時点はライバル企業に比べ遅れている」とし「短期の実績への期待感は下がった。長い目でアプローチする必要がある」と話した。その他にも予想を下回るPCとモバイルの業況回復速度、旧型メモリーの需要鈍化、非メモリー不振などの短期的懸念に言及し、競争が激しくなるディスプレイ、TV・家電市場まで短期の実績への期待感が縮小している点も目標株価引き下げの理由として挙げた。 大信証券は目標株価を8万5000ウォンへと15%下げ、「HBM3E改善製品を通じた供給の開始はきわめて肯定的な要因だが、今後の受注量および供給のタイムラインに対する部分が重要だと判断する」と述べた。さらに、投資証券は従来の11万ウォンから9万3000ウォンに、教保証券は9万ウォンにそれぞれ目標株価を下げた。 同日、サムスン電子は前日(5万9200ウォン)より0.34%下落した5万9000ウォンで取引を開始し、午後1時現在は5万8000ウォン台後半で横ばいを続けている。 ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )