実話をもとに描かれる、1枚の名画を巡る秘密に満ちた駆け引きの行方 映画『オークション ~盗まれたエゴン・シーレ』
ナチス・ドイツによって略奪されたエゴン・シーレの名画「ひまわり」を巡り、美術オークションの世界で繰り広げられる駆け引きをスリリングに描いたフランス映画『オークション ~盗まれたエゴン・シーレ』が公開される。あわせて、本作の予告映像が公開された。 2000年代初頭、フランス東部、スイス国境近くの工業都市ミュルーズ郊外の若い工員の家でひまわりを描いた風景画が見つかり、それがナチスに略奪されたウィーン分離派の流れをくむエゴン・シーレの作品であることが判明する。本作は、この歴史的事実に基づき、多彩なキャラクターが織りなす知的なドラマで、美術オークションの世界の駆け引きをスリリングかつ鮮やかに描く。 監督はフランス・ヌーヴェルヴァーグの中心的存在のひとりだったジャック・リヴェットの脚本を数多く手がけたパスカル・ボニゼール。ミステリーの女王アガサ・クリスティ原作の「ホロー荘の殺人」を映画化した『華麗なるアリバイ』等、監督としてもその手腕を発揮している。 この緻密な脚本により描かれたキャラクターを演じるため、実力派の俳優陣が集結。一流の衣服を身にまとい、高級車を乗り回す一見スノッブで鼻持ちならない人物ながら、実は自己抑制の効いた熱血漢である競売人(オークショニア)アンドレを演じるのは、小説家・映画監督としても活躍し、タレントとしても絶大な人気を誇るアレックス・リュッツ。アンドレの元妻で頼もしい仕事の相棒、いつも恋を求めているベルティナは2017年にフランスで大ヒットした『ジュリアン』でセザール賞主演女優賞を受賞、近年演技派女優の地位を不動のものにしているレア・ドリュッケールが演じる。 さらに、アンドレの部下となる研修生オロールに扮したのはフィリップ・ガレルやポール・ヴァーホーヴェンなどの監督作で着実にキャリアを重ねるルイーズ・シュヴィヨット。エゴン・シーレの絵を発見する、思慮深く謙虚で高潔な工場労働者マルタンには、スイス出身でフランスではほとんど無名ながらも大抜擢された新人アルカディ・ラデフが起用されている。 映画『オークション ~盗まれたエゴン・シーレ』は、2025年1月10日(金)より全国ロードショー。
otocoto編集部